シルバーストン・サーキットでメルセデスW12をドライブするルイス・ハミルトン、2021年7月16日F1イギリスGP予選
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ハミルトン、6戦ぶり予選最速!母国で復活の狼煙…フェルスタッペン及ばずも楽観 / F1イギリスGP《予選》結果とダイジェスト

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2021 FIA-F1世界選手権10戦イギリスGPの公式予選が7月17日にシルバーストン・サーキットで行われ、メルセデスのルイス・ハミルトンが1分26秒134を記録。第4戦スペインGP以来、実に6戦ぶりに予選トップに立ち、更には母国での6度目の予選最速ランナーに輝く見事なパフォーマンスを発揮した。

2番手はレッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペン。0.075秒という紙一重の差で44号車シルバーアローに最速の座を許した。3番手にはトップから0.194秒落ちでバルテリ・ボッタスが続いた。アップグレードを得たメルセデスW12は息を吹き返したように見える。

予選を終えたフェルスタッペンは「クルマそのものに関してはハンドリングが本当に良かったんだけど、アンダーステアの影響でコーナーを攻めきれなかった。でもまぁそれは仕方がない事だし、それでも匹敵するペースだった。明日になれば分かる事だけど、僕らのクルマはレースペースという点で強力だと思うから心配してはいない」と2日目以降に向けて楽観した様子を見せた。

本予選は土曜のスプリント予選レースのグリッドを決するもので、公式ポールポジション記録は予選最速者ではなくスプリント予選勝者に与えられる。

スプリント予選および決勝レースでスタートタイヤを自由に選択できる一方、予選では使用コンパウンドがソフトタイヤに制限された。ピレリは安全性の向上に向けて、今週末より構造を強化した新しいリアタイヤを持ち込んだ。

チームメイトのフェルスタッペンのみがマイナーチェンジ版のフロアを使用する中、セルジオ・ペレスはターン15のトラックリミット違反でベストラップが抹消され、シャルル・ルクレール(フェラーリ)に0.016秒差で4番手を許す5番手に甘んじた。

移籍後一貫してマクラーレンMCL35Mに苦しみ続けてきたダニエル・リカルドは、ランド・ノリスに0.002秒差の7番手と、一気に調子を上げた。

ハミルトンと同じくホームレースのジョージ・ラッセル(ウィリアムズ)は2戦連続でのQ3進出を果たし、挙句の果てにカルロス・サインツ(フェラーリ)とセバスチャン・ベッテル(アストンマーチン)を各々9番手と10番手に抑える8番手と大健闘した。

アルファタウリ・ホンダにとっては厳しい結果となった。ピエール・ガスリーはスペインGP以来のQ2敗退を喫して12番手。事前のプラクティスが僅か60分というルーキーにとって過酷な状況の中、角田裕毅はトラフィックに阻まれ16番手と、3戦ぶりのQ1ノックアウトに終わった。

3時間半前のFP1に引き続き現地シルバーストンは晴天に恵まれ、スプリント予選のスタートグリッドを決する争いは気温25℃、路面39.5℃と、FP1の時より遥かに涼しいコンディションでスタートした。

予選Q1:角田裕毅、僅差で敗退

エントリーした全20台で争われる予選第一ラウンドのQ1は、最終コーナーで大きくリアを滑らせながらもフェルスタッペンが唯一、計測ラップ1回のみを走ってトップ通過を果たした。

ルクレールも同様に最終コーナーの立ち上がりでリアを滑らせるシーンがあったが、最終アタックを着実に決めてハミルトンに続く3番手タイムを刻んだ。

時間の経過とともに路面状況が改善する中、最終アタックを終えて15番手ギリギリの位置にいた角田裕毅は、ランス・ストロール(アストンマーチン)に1000分の26秒差でノックアウトされ16番手でQ1敗退を喫した。

チームメイトのアントニオ・ジョビナッツィが12番手でQ2に駒を進めた一方、キミ・ライコネン(アルファロメオ)は4戦連続のQ1敗退に終わった。

ノックアウト

  • 角田裕毅
  • キミ・ライコネン
  • ニコラス・ラティフィ
  • ミック・シューマッハ
  • ニキータ・マゼピン

予選Q2:ラッセルが母国でQ3の快挙

5台が脱落し残る15台のマシンが挑んだQ2では、ハミルトンが徐々にタイムを積み上げフェルスタッペンを0.292秒差で交わして今週末初めてタイムシートのトップに立った。

ガスリーとフェルナンド・アロンソ(アルピーヌ)は1回目の計測を終えて11番手、13番手と、トラフィックに阻まれたとして無線で声を荒げた。

共に最終アタックでは自己ベストを更新したものの、ラッセルが怒涛の7番手を刻んで両者を蹴落とし、2戦連続でのQ3進出を果たしてみせた。会場は週末最大の歓声に包まれた。

アルピーヌはエステバン・オコンが3戦ぶりにQ2突破を果たしたが、アロンソ共々13番手でノックアウトを喫した。

6番手ペレスから12番手ガスリーまではジャスト0.2秒という接戦だった。

ノックアウト

  • フェルナンド・アロンソ
  • ピエール・ガスリー
  • エステバン・オコン
  • アントニオ・ジョビナッツィ
  • ランス・ストロール

予選Q3:手に汗握る頂上決戦

トップ10グリッドを決する予選最終ラウンドのQ3はサインツが先陣を切って計測を開始した。

隊列最後尾にはハミルトン、フェルスタッペンの2台が並び、第1・3セクターで全体ベストを刻んだハミルトンが0.172秒差でフェルスタッペンを抑えて暫定トップに立った。フェルスタッペンはクラブ・コーナーでフロントを滑らせた。

ベッテルは1分27秒276を刻んだものの、ターン15のトラックリミット違反でタイム抹消となり、最終アタック1回のみの計測で10番手となった。

ラッセルは唯一人、計測のタイミングをズラして9台が走行を終えた後にアタックを開始。観客の声援を独占して1周を走り切り、スプリント予選に向けて8番グリッドを獲得した。

最終アタックに挑んだハミルトンは第1・3セクターで全体ベストを刻んだものの、最終セクションでリアを滑らせタイム更新ならず。ただしフェルスタッペンも僅かに及ばず、ハミルトンが予選最速に輝く結果となった。

スプリント予選の採用で変則的なスケジュールが組まれている2021年のF1イギリスグランプリ。次なるセッションは17日日本時間20時より行われるFP2で、同24時30分からは決勝のグリッドを決する史上初のスプリント予選レースが開催される。

2021年F1第10戦イギリスGP予選リザルト

Pos No Driver Team Q1 Q2 Q3 Laps
1 44 ルイス・ハミルトン メルセデス 1:26.786 1:26.023 1:26.134 23
2 33 マックス・フェルスタッペン レッドブル・ホンダ 1:26.751 1:26.315 1:26.209 16
3 77 バルテリ・ボッタス メルセデス 1:27.487 1:26.764 1:26.328 22
4 16 シャルル・ルクレール フェラーリ 1:27.051 1:26.919 1:26.828 20
5 11 セルジオ・ペレス レッドブル・ホンダ 1:27.121 1:27.073 1:26.844 17
6 4 ランド・ノリス マクラーレン・メルセデス 1:27.444 1:27.220 1:26.897 20
7 3 ダニエル・リカルド マクラーレン・メルセデス 1:27.323 1:27.125 1:26.899 22
8 63 ジョージ・ラッセル ウィリアムズ・メルセデス 1:27.671 1:27.080 1:26.971 17
9 55 カルロス・サインツ フェラーリ 1:27.337 1:26.848 1:27.007 21
10 5 セバスチャン・ベッテル アストンマーチン・メルセデス 1:27.493 1:27.103 1:27.179 15
11 14 フェルナンド・アロンソ アルピーヌ・ルノー 1:27.580 1:27.245 12
12 10 ピエール・ガスリー アルファタウリ・ホンダ 1:27.600 1:27.273 14
13 31 エステバン・オコン アルピーヌ・ルノー 1:27.415 1:27.340 12
14 99 アントニオ・ジョビナッツィ アルファロメオ・フェラーリ 1:27.595 1:27.617 15
15 18 ランス・ストロール アストンマーチン・メルセデス 1:28.017 1:27.665 12
16 22 角田裕毅 アルファタウリ・ホンダ 1:28.043 10
17 7 キミ・ライコネン アルファロメオ・フェラーリ 1:28.062 9
18 6 ニコラス・ラティフィ ウィリアムズ・メルセデス 1:28.254 8
19 47 ミック・シューマッハ ハース・フェラーリ 1:28.738 10
20 9 ニキータ・マゼピン ハース・フェラーリ 1:29.051 9

コンディション

天気晴れ
気温25℃
路面温度39.5℃

セッション概要

グランプリ名 F1イギリスGP
セッション種別 予選
セッション開始日時

サーキット

名称 シルバーストン・サーキット
設立 1947年
全長 5891m
コーナー数 18
周回方向 時計回り

F1イギリスGP特集