イモラ・サーキットでレッドブル・ホンダRB16Bを駆るマックス・フェルスタッペン、2021年4月17日F1エミリア・ロマーニャGPのFP3にて
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予選を前にレッドブル・ホンダが最速奪取、角田裕毅はまとめ切れず… / F1エミリア・ロマーニャGP《FP3》結果とダイジェスト

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2021 F1第2戦エミリア・ロマーニャGP土曜3回目のフリー走行が4月17日にイモラ・サーキットで行われ、レッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペンが予選を前に後続を大差で引き離す全体ベストを刻んだ。

ドライブシャフトに問題を抱えた事で初日FP2を失ったフェルスタッペンは、1回のタイム計測がトラックリミットで抹消となり、2回目はトラックリミットが解除されたターン13のソーセージ縁石で激しくフロアを打ち走行を断念するも、2セット目のソフトタイヤで第2・3セクターを全体ベストとして、20台の中で唯一14秒台に入れ込んだ。

2番手にはマクラーレンのランド・ノリスがコンマ4秒遅れで、3番手にはメルセデスのルイス・ハミルトンがコンマ5秒遅れで続いた。初日最速連取のバルテリ・ボッタスは8番手に留まった。

現地イモラはグランプリ2日目を迎えた土曜も晴れに恵まれ、予選結果を占うセッションは気温11℃、路面20℃のドライコンディションでスタートした。

レースディレクターのマイケル・マシは金曜ドライバーズ・ブリーフィングでの話し合いを経て、トラックリミットを調整した。ターン13は監視対象から外れ、ターン14と15に関して黄色縁石の上を走行しても良いと明示された。

フェルスタッペンと同じレッドブル・ホンダRB16Bを駆るセルジオ・ペレスは、週末を通して徐々にペースを積み重ね、僚友からコンマ6秒落ちの4番手と有望なタイムを刻んだ。予選でどこまでチームメイトに迫れるか注目される。

母国イタリアの同胞チーム対決は熾烈なバトルとなりそうだ。

FP2の最終盤にクラッシュを喫したシャルル・ルクレールは、アルファタウリ・ホンダの親友、ピエール・ガスリーをコンマ1秒差で抑えて5番手タイムをマーク。赤き跳馬SF21駆るカルロス・サインツはガスリーに1000分の18秒と迫る7番手に付けた。

なおアルファタウリは前戦DNFの利点を活かしてガスリーに新型ギアボックスを投入。なおハースのニキータ・マゼピンもFP3を前に同じく新しいものに換装した。

ガスリーのチームメイト、新人角田裕毅は、前方を走行していたシニアチームの先輩株、ペレスがミラーを見ていなかったとして無線で激しく不満の声を上げたり、「まるで渋滞パラダイスみたいだ!」とコース上の混雑ぶりに不平を言う場面もあり、最後まで1周をまとめ切れず11番手でヘルメットを脱いだが、セクターベストを繋ぎさえすればトップ10は堅い。

イモラは典型的なオールドサーキットであり、コース幅が狭いためにトラフィックをマネジメントする事は容易ではなく、それも手伝い1周を完璧にまとめる事も難しい。

なお角田裕毅に関してはピットレーンで2.4km/hの速度超過があったとして、スチュワードがセッション終了後にチームに対して300ユーロ、日本円にして4万円ほどの罰金を科すと発表した。角田裕毅にとってはF1デビュー後初の規約違反となった。

空力アップデートによって競争力を増したアルピーヌは、15年ぶりのイモラを堪能するフェルナンド・アロンソが9番手、エステバン・オコンが10番手に滑り込み、Q3進出に向けて有望なペースを示した。

他方、同じく今シーズンに向けてリブランドされたもう一つのチーム、法的措置をチラつかせて空力規約の再変更を迫るアストンマーチンは、ランス・ストロールが12番手、セバスチャン・ベッテルが14番手と、タイムとしては今ひとつの内容だった。

初日と同じ様に、この日も何台ものマシンがグラベルに飛び出すシーンがあり、セッションは30分を前にして赤旗が振られる事となった。

ジョージ・ラッセルをして「Q3進出もあり得る」というポテンシャルを秘めたウィリアムズFW43Bを駆るニコラス・ラティフィが、ビルヌーブ・シケイン、ターン6で制御を失い、グラベルを超えて左フロントからタイヤバリアに激突。レースコントロールはレッドフラッグを提示した。

幸いにもラティフィは自走でピットへと戻り、終盤に再びコースに復帰。15番手に付けたラッセルからコンマ1秒遅れの17番手でクルマを降りた。

2021年F1エミリア・ロマーニャグランプリ公式予選は、日本時間4月17日(土)22時から全3ラウンド、計1時間に渡ってアウトードロモ・エンツォ・エ・ディーノ・フェラーリにて行われる。

2021年F1第2戦エミリア・ロマーニャGPフリー走行3(FP3)リザルト

Pos No Driver Team Time Gap Laps
1 33 マックス・フェルスタッペン レッドブル・ホンダ 1:14.958 18
2 4 ランド・ノリス マクラーレン・メルセデス 1:15.414 +0.456 17
3 44 ルイス・ハミルトン メルセデス 1:15.515 +0.557 18
4 11 セルジオ・ペレス レッドブル・ホンダ 1:15.551 +0.593 18
5 16 シャルル・ルクレール フェラーリ 1:15.738 +0.780 21
6 10 ピエール・ガスリー アルファタウリ・ホンダ 1:15.890 +0.932 22
7 55 カルロス・サインツ フェラーリ 1:15.908 +0.950 21
8 77 バルテリ・ボッタス メルセデス 1:15.908 +0.950 19
9 14 フェルナンド・アロンソ アルピーヌ・ルノー 1:16.186 +1.228 20
10 31 エステバン・オコン アルピーヌ・ルノー 1:16.228 +1.270 20
11 22 角田裕毅 アルファタウリ・ホンダ 1:16.230 +1.272 20
12 18 ランス・ストロール アストンマーチン・メルセデス 1:16.245 +1.287 19
13 3 ダニエル・リカルド マクラーレン・メルセデス 1:16.253 +1.295 17
14 5 セバスチャン・ベッテル アストンマーチン・メルセデス 1:16.389 +1.431 19
15 63 ジョージ・ラッセル ウィリアムズ・メルセデス 1:16.427 +1.469 20
16 47 ミック・シューマッハ ハース・フェラーリ 1:16.448 +1.490 22
17 6 ニコラス・ラティフィ ウィリアムズ・メルセデス 1:16.537 +1.579 15
18 99 アントニオ・ジョビナッツィ アルファロメオ・フェラーリ 1:16.612 +1.654 22
19 7 キミ・ライコネン アルファロメオ・フェラーリ 1:16.803 +1.845 23
20 9 ニキータ・マゼピン ハース・フェラーリ 1:17.398 +2.440 23

コンディション

天気晴れ
気温11℃
路面温度20℃

セッション概要

グランプリ名 F1エミリア・ロマーニャGP
セッション種別 フリー走行3
セッション開始日時

サーキット

名称 イモラ・サーキット
設立 1953年
全長 4909m
コーナー数 21
周回方向 反時計回り

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