グロージャンとマグヌッセン、インディカー参戦に向け交渉も「子供の教育の事とか考えなきゃならないし…」と3児の父
今季末を以てシートを失うハースF1チームのロマン・グロージャンとケビン・マグヌッセンは、2021年シーズンの参戦に向けてNTTインディカー・シリーズのチームと交渉を行っている事を認めた。
ハースF1はアルガルベでのポルトガルGPの前に、両名との契約を更新せずに新たなドライバーラインナップで2021年シーズンに挑む事を発表した。後任は発表されていないが、ニキータ・マゼピンとミック・シューマッハのコンビが有力視されている。
F1残留のためのシートは殆ど残っておらず、グロージャンとマグヌッセンは他のシリーズへの転向を検討しており、中でも、同じオープン・ホイールのインディカーへの参戦が取り沙汰されている。
グロージャンは第14戦トルコGPを前に、同郷のシモン・パジェノーや、かつてF1でしのぎを削り合った仲であるマーカス・エリクソンら現役インディカードライバーと話をしてアドバイスをもらった事を明かし、「(交渉が)遅れた事で、幾つかのチームのシートは既に埋まっているけどチャンスは残っている」と述べ、インディカーチームと交渉した事を明かした。
「インディカーのレースは本当に楽しそうだし、優勝や表彰台を獲得できるチャンスもある。僕がアメリカのモータースポーツについてあまり知らない事が難点だけど、サーキットはクールだし、本当に素晴らしいチャンピオンシップだ」とグロージャン。
「オーバルに関しては必ずしも大ファンというわけじゃないんだけど、来季のカレンダーには高速のテキサス、インディ500、そしてもう1つ短いコースがあるだけだ。もっとたくさんあると思っていたけど3レースなんだよね」
2020年インディカー・シリーズ開幕テキサス300スタート時の様子 / © Indycar
参戦のチャンスはあると主張するグロージャンだが、検討中のチームとの契約のためには持ち込み資金が必要な事を示唆し、更には「僕はもう、後先考えずにバックパックを持って飛行機に飛び乗れるような若者じゃないんだ」とも述べ、ライフスタイルや住む場所、曰く「優先事項の高い」子供の教育や将来の事などを考えると、簡単に決断できることではないとも主張した。
グロージャンは妻マリオン・ジョリスとの間に長男サイモンと長女サシャ、次女カミーユの3人の子を持つ父親であり、「厳しい週末になってしまったとしても、家に帰って子供たちに会えばそんな事はどうでも良くなる」と語るほど、家族愛に溢れるドライバーだ。
マグヌッセンもグロージャン同様にインディカーチームとの話し合いの事実を認めた。ただし、経験豊富なフランス人ドライバーとは異なり2021年の参戦には悲観的だ。
「何度も言っているように、インディカーは僕のリストの上位にあるものだし、ずっとファンだったから是非やってみたいと思っている」とマグヌッセン。
「父(ヤン・マグヌッセン)が20年ほど前にレースをしていた関係で、僕はアメリカで多くの時間を過ごしてきた。アメリカは本当に好きな国だし、(インディカーは)僕にピッタリだと思ってる」
「オーバルはこれまでのキャリアの中で経験してきたものとは全然違うチャレンジだ。ヨーロッパには殆どないからね。オーバル以外のサーキットやロードコースも素晴らしい。昔ながらのコースだしね。それに、マシンがワンメイクに近いのも良いね。ドライバーの力量で大きな違いを生み出せるから」
「でも(交渉が)少し遅れたために、多くのチームがすでに将来のためのドライバーを確保済だ。来年の参戦は難しいと思う」