下を向くウィリアムズのジョージ・ラッセル、2020年F1エミリア・ロマーニャGPにて
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“愚かな”クラッシュで入賞逃したジョージ・ラッセル、嘆く後輩を励ます心優しきグロージャン先輩「気持ちは分かる」

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自らの過失、本人の弁によれば「愚かなクラッシュ」を喫した事で貴重な選手権ポイント獲得のチャンスをフイにしたウィリアムズのジョージ・ラッセルは、事故によってコックピットを降りた後、美しきイモラのコース脇に座り込み、茫然自失と頭を垂れていた。

エミリア・ロマーニャGPの名のもとに行われたイモラでの63周のレースの最終盤、レッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペンがタイヤバーストによってクラッシュした事でセーフティーカーが導入された。

ラッセルはこの時、最終的に9位と10位でダブル入賞を飾ったキミ・ライコネンとアントニオ・ジョヴィナッツィのアルファロメオ勢を後方に従える10番手に付けていたものの、タイヤに熱を入れようとしてリアを失い、ウォールに激突してリタイヤを喫した。

ラッセルはこのインシデントについて「キャリア最大のミス」「言い訳の余地はない」として弁明を避け、チームに謝罪した。後続のライコネンは履き替えたばかりのフレッシュなソフトタイヤを履いており、40周を重ねた中古のハードタイヤを履いていたラッセルは、ポジションを死守しようとアグレッシブにタイヤを温めていた。

自戒を込めての事だろうか、レースを終えたラッセルは、うなだれる自身の姿を収めた写真をInstagramにアップして「僕はこの日の事は決して忘れない。この過ちから学んで、より強くなる。チーム全員に心から申し訳なく思っている。言い訳はしない」とのメッセージを添えた。

ジョージ・ラッセルのInstagramにアップされた画像とロマン・グロージャンの返信メッセージ

これに対し、あまりの接触事故の多さから、かつて「オープニングラップの狂人」等と揶揄されていたF1での9シーズン目を過ごす先輩ドライバーのロマン・グロージャンがいち早く「気持ちは分かる。乗り越えるのに時間はかかるだろうが、お前はホント良くやってるよ。プッシュし続けろ」と励ましのメッセージを送った。

コース外でのグロージャンは、3児の父らしくグリッドウォークに訪れた子供たちに優しく接したり、同郷の後輩がキャリア初優勝を飾れば自分自身の事のように喜び、若手ドライバーのF1グランプリデビューがお預けになれば「この経験は無駄にはならない」と気遣うなど、ナイスガイとして多くのファンから愛されている。

また、レース後のトップ3カンファレンスで今季限りで引退の可能性を仄めかして話題を集めるメルセデスの先輩株にあたるルイス・ハミルトンは「ジョージ、お前は全力を尽くしていた。ミスしたって良いし、苦しんだって良いんだ。僕だって色々やってきたさ。お前は最高の相棒だ。気を引き締めて、次に向かって頑張れ!」とのリプライを送った。

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