ハースF1のケビン・マグヌッセンとロマン・グロージャン

グロージャンとマグヌッセン、2020年限りでのハースF1離脱を正式発表

  • Published: Updated:

ロマン・グロージャンとケビン・マグヌッセンはF1第12戦ポルトガルGP開幕を翌日に控えた2020年10月22日、契約を更新せずに2020年シーズン限りでハースF1チームを去る事を明らかにした。

4年間に渡ってノースカロライナ州カナポリスのチームから共にF1を戦ってきた2人のドライバーは、アルガルベでのグランプリ初日を前にソーシャルメディアを通して、今季限りでのチーム離脱を発表した。

その30分後にはチーム側からの正式なアナウンスがあり、来季に向けてドライバーラインナップが一新される事が確定した。

2017年にグロージャンとマグヌッセンがコンビ組んで以来、チームは何度か注目すべきパフォーマンスを発揮してきた。2017年のF1モナコGPではチーム初のダブルポイント獲得し、2018年のF1オーストリアGPでは4位と5位というチーム史上最高位を更新。同年のコンストラクターズ選手権ではチーム史上最高位となる5位を達成した。

ハースF1チームのギュンター・シュタイナー代表は「ロマンとケビンの2人に対して、過去数シーズンに渡るハードワークとチームへの献身に対する感謝の言葉を贈りたい」と語り、次のように続けた。

「ロマンは我々が求めるスピードと経験の両方を兼ね備えたドライバーであり、チームの立ち上げにおける基盤であった。彼自身の才能と初参戦に向けてチームが費やした多大な努力によって、我々は2016年序盤から素晴らしい成績を上げる事が出来た」

「初年度を終えてケビンが加入すると、2台によるポイント獲得が始まった。その年のモナコでは初のダブルポイントフィニッシュを達成し、その翌年の設立3シーズン目にはランキング5位を獲得する事ができた。2018年シーズンには素晴らしい思い出がたくさんあるが、ロマンとケビンはその成功に大きな役割を果たしてくれた」

「もちろん、2020年シーズンにはまだたくさんのレースが残っている。チャレンジングな1年だったことは間違いないが、2人のドライバーは全力でVF-20をプッシュし続けてくれている。12月の最終アブダビGPに向けてチームを前進させていくために、彼らのインプットと経験を大切にしていきたい」

2人の離脱によってハースの来季シートは2つともが空席となるが、その内の一つは多額のロシアンマネーをバックボーンとする現F2ドライバーのニキータ・マゼピンと見られており、もう一つに関しては、フェラーリからの”献金”が期待できるミック・シューマッハあるいはロバート・シュワルツマンが囁かれている。

ケビン・マグヌッセン

ハースとF1を戦うのは今年が最後だ。4年間に渡ってチームと共に素晴らしい時間を過ごす事ができた。新興チームに加わる事はチャレンジングな事だけど、それによって多くの経験を積むことができ、レーシングドライバーとして一回り成長する事ができた。

ジーン(ジーン・ハース、チームオーナー)や、ギュンター(ギュンター・シュタイナー、チーム代表)、そしてチームの皆に対して、この4年間に渡る僕への信頼と愛情に感謝したい。

今はまだ今後の計画を発表できる段階にないけど、後日発表できればと思っている。まだ6戦残っているし、シーズン最後まで全力を尽くすつもりだ。サポートしてくれているファンの皆にも感謝したい。

ロマン・グロージャン

最終章が終わりを迎える。チーム設立と共にハースF1チームに加わってからの5年間に渡り、僕らは浮き沈みを経験しながら92戦で110ポイントを獲得した。この間に多くの学びがあり、ドライバーとしても人としても成長していく事ができた。この旅にはそれだけの価値があった。

少しでもチームのみんなの助けになったならば僕としても嬉しい。もしそうであるならば、クレイジーだった2016年の初戦や、4位を獲得した2018年のF1オーストリアGP以上に誇らしい事だ。輝かしいチームの未来を祈っている。

F1ポルトガルGP特集