ニュルブルクリンクを走行するメルセデスのバルテリ・ボッタス、2020年F1アイフェルGP
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メルセデスが母国ニュルで最前線確保、ホンダは僅差でポール逃す / F1アイフェルGP《予選》結果とダイジェスト

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2020 FIA-F1世界選手権11戦アイフェルGPの公式予選が10月10日にニュルブルクリンクのGPコース(5,148m)で行われ、メルセデスのバルテリ・ボッタスが通算14回目、今季3度目のポールポジションを獲得した。

悪天候のために初日プラクティスが消滅し、僅か60分間の練習セッションのみで迎えたスターティンググリッド頂上決戦は僅差の争いとなった。

予選Q3では、まずはレッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペンが暫定ポールにつけるも、2セット目のソフトタイヤで自己ベストを更新したボッタスが1分25秒269をマーク。フェルスタッペンもタイムを削ったがボッタスに0.293秒、2番手につけたルイス・ハミルトンに1000分の37秒届かずフロントローを逃す結果となった。

フェルスタッペンと並び2列目に並んだのは、チームメイトではなくフェラーリのシャルル・ルクレールだった。アップグレードが投入されたSF1000が息を吹き返したか、若きモナコ人ドライバーはアレックス・アルボンを1000分の12秒差で退け4番手タイムを刻んだ。

アルファタウリ・ホンダ勢は最終Q3に手が届かず、ピエール・ガスリーが12番手、ダニール・クビアトが13番手という結果に終わった。ミッドフィールド最速を刻んだのはルノーで、ダニエル・リカルドとエステバン・オコンがそれぞれ6番手と7番手に並び、マクラーレンとレーシングポイントを抑えた。

午前のFP3に引き続き現地ニュルブルクは晴れ、気温こそ変化がないものの日差しに照らされた路面の温度は上がり、決勝のスタートグリッドを決する争いは気温8.8℃、路面17.5℃、湿度59.7%のドライコンディションで開始された。

予選を前に、レーシング・ポイントF1チームは体調不良FP3を欠場したランス・ストロールに代えて、残りの週末でニコ・ヒュルケンベルグを起用する事を発表した。予選開始時刻1時間前という土壇場でのドライバーチェンジだった。

バラエティに富むコーナーと7年ぶりの走行、そして未経験の寒い時期のグランプリという事で、公式タイヤサプライヤーのピレリは多様な条件に対応できるよう中間レンジのC2~C4コンパウンドを投入。Q3進出者に追加提供されるコンパウンドはソフトタイヤが指定された。

予選Q1:ヒュルケンベルグは”惜しい”20番手

エントリーした全20台で争われる予選第1ラウンドのQ1では、当然のことながら、練習なしのぶっつけ本番走行を強いられたヒュルケンベルグが早々にコースイン。タイム計測に取り掛かる事はなく、コースとマシンの学習に集中した。

ガスリーはガレージアウトの際に、タイヤウォーマーのようなものをタイヤに引っ掛けたが、幸いにもエンジニアが即座にこれを取り除き、大事に至る事はなく、7番手タイムでQ2進出を果たした。トップ通過はフェルスタッペンであった。

全く調整されていないマシンに飛び乗り、僅か15分、10周という走行の中でマシン及びコースと奮闘したヒュルケンベルグは20番手最下位に終わったものの、19番手キミ・ライコネンまでは僅かコンマ2秒、チームメイトのセルジオ・ペレスとのギャップも僅かコンマ9秒という実に印象的なタイムを刻んでみせた。

ノックアウト

  • ロマン・グロージャン
  • ジョージ・ラッセル
  • ニコラス・ラティフィ
  • キミ・ライコネン
  • ニコ・ヒュルケンベルグ

予選Q2:一転、全車ソフト通過の不思議

5台が脱落し残る15台のマシンが挑んだQ2では、メルセデス勢とフェラーリ勢、そしてリカルドの5台がミディアムでコースイン。ハミルトンはQ3突破に向けて十分なタイムを残していたが、他の4台と並んで2セット目にソフトを履き自己ベストを更新した。日曜の決勝のトップ10組は全て中古のソフトタイヤでレースをスタートする事になる。

アルファタウリ・ホンダの2台は奮闘するも、最終アタックでタイムを大きく更新した跳馬勢に先行を許し、ガスリーが12番手、クビアトが13番手でヘルメットを脱いだ。

母国レースのセバスチャン・ベッテルは、チームメイトにコンマ5秒という大差で遅れる11番手でノックアウトを喫した。4度のF1ワールドチャンピオンは、7戦連続でQ3進出から遠ざかっている。

ノックアウト

  • セバスチャン・ベッテル
  • ピエール・ガスリー
  • ダニール・クビアト
  • アントニオ・ジョビナッツィ
  • ケビン・マグヌッセン

予選Q3:僅差のポール争い

トップ10グリッドを決する予選最終ラウンドのQ3では、メルセデスの2台がまず先に25秒台に入れてタイムシートのトップに並び、その後フェルスタッペンがボッタスを1000分の68秒上回る1分25秒744を刻んで暫定ポールにつけた。

最終アタックでは、まずはハミルトンが自己ベストを更新して暫定ポールに。だが、その後ろから全セクターでファステストを刻んでいたボッタスがハミルトンを交わしてトップに。フェルスタッペンも自己ベストを削ったが、ハミルトンには惜しくも届かず3番手に終わった。

2020年 F1アイフェルグランプリ決勝レースは、日本時間10月11日(日)21時10分にスタート。1周5148mのニュルブルクリンクを60周する事でチャンピオンシップを争う。

2020年F1第11戦アイフェルGP予選リザルト

Pos No Driver Team Q1 Q2 Q3 Laps
1 77 バルテリ・ボッタス メルセデス 1:26.573 1:25.971 1:25.269 19
2 44 ルイス・ハミルトン メルセデス 1:26.620 1:25.390 1:25.525 18
3 33 マックス・フェルスタッペン レッドブル・ホンダ 1:26.319 1:25.467 1:25.562 15
4 16 シャルル・ルクレール フェラーリ 1:26.857 1:26.240 1:26.035 18
5 23 アレックス・アルボン レッドブル・ホンダ 1:27.126 1:26.285 1:26.047 15
6 3 ダニエル・リカルド ルノー 1:26.836 1:26.096 1:26.223 18
7 31 エステバン・オコン ルノー 1:27.086 1:26.364 1:26.242 20
8 4 ランド・ノリス マクラーレン・ルノー 1:26.829 1:26.316 1:26.458 18
9 11 セルジオ・ペレス レーシングポイント 1:27.120 1:26.330 1:26.704 17
10 55 カルロス・サインツ マクラーレン・ルノー 1:27.378 1:26.361 1:26.709 20
11 5 セバスチャン・ベッテル フェラーリ 1:27.107 1:26.738 16
12 10 ピエール・ガスリー アルファタウリ・ホンダ 1:27.072 1:26.776 16
13 26 ダニール・クビアト アルファタウリ・ホンダ 1:27.285 1:26.848 16
14 99 アントニオ・ジョビナッツィ アルファロメオ 1:27.532 1:26.936 14
15 20 ケビン・マグヌッセン ハース・フェラーリ 1:27.231 1:27.125 16
16 8 ロマン・グロージャン ハース・フェラーリ 1:27.552 10
17 63 ジョージ・ラッセル ウィリアムズ・メルセデス 1:27.564 9
18 6 ニコラス・ラティフィ ウィリアムズ・メルセデス 1:27.812 9
19 7 キミ・ライコネン アルファロメオ 1:27.817 8
20 27 ニコ・ヒュルケンベルグ レーシングポイント 1:28.021 10

コンディション

天気晴れ
気温8.8℃
路面温度17.5℃

セッション概要

グランプリ名 F1アイフェルGP
セッション種別 予選
セッション開始日時

サーキット

名称 ニュルブルクリンク
設立 1927年
全長 5148m
コーナー数 15
周回方向 時計回り

F1アイフェルGP特集