アルファタウリ・ホンダのピエール・ガスリー、AT01シェイクダウンにて
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恋い焦がれた競争…ガスリー、ドバイ隔離生活を経て念願の開幕戦へ

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2020年FIA F1世界選手権開幕オーストリアGPに先立って、アルファタウリ・ホンダのピエール・ガスリーがドバイでの隔離生活からイモラでのテストまでを振り返り、10週間の中に8戦が詰め込まれた超強硬日程のシーズンに向けた抱負を語った。

昨年のオーストリアでガスリーは、トロロッソSTR14ではなくレッドブル・ホンダRB15をドライブ。チームメイトのマックス・フェルスタッペンから1周遅れの7位と苦しんだ。

恋い焦がれた競争とスピード

ピエール・ガスリー

オーストラリアでのグランプリがキャンセルされた後、僕はドバイ経由で第2戦のバーレーンに行く予定だったから、そこで2~3日滞在して状況の推移を見守ろうと思ったんだ。でもイタリアの空港は閉鎖され戻れなくなり、家族を危険に晒したくないからフランスには戻りたくなかった。そこでトレーナーと一緒にドバイに滞在することにしたんだけど、実質的に2ヶ月間の合宿になってしまった。ドバイでの制限はヨーロッパとほとんど同じで、アパートから外出する際にはマスクと手袋をしなきゃならなかった。

結局5月中旬にフランスに戻ったんだけど、ドバイの空港は閑散としていて、フランスへの直行便がなかったからフランクフルト経由で飛ばなきゃならなかった。なんだかヘンテコな体験だった。何もかもが遅れていた上に電車にも乗り遅れ、結局家に帰るのに7時間もドライブする事になってしまったよ!

でもまぁ普段はあまり長い時間を共に過ごすことのない彼らと一緒にいられて良かった。

いつもは数日おきに空港にいるような生活だし、レースからこんなにも長く離れた事は今回が初めてだった。10歳以降は、同じ場所で2ヶ月間過ごした事すらないんだ。

ドバイ滞在中の60日間のうちの恐らく58日間はトレーニングに励んでいたから、身体的には人生最高の状態に仕上がっていると思う。

滞在中はオンライン上で友人たちとゲームをして遊んだり、イタリア語を上達させようと思ってオンラインレッスンを受けたりしていた。後はカートをしたりゴルフをしたり、それとボートのパイロット免許を取ったりね。フランスに戻った後もカートを続けながら、F1やルマンのバーチャルレースにも参加した。最高に楽しくて時間が足らないくらいだったよ。

チームとも連絡を取り合っていた。フランツ(トスト、チーム代表)やエンジニア達とは毎週話をしていた。

そうこうしてようやく、イモラ・サーキットで再び本物のF1マシンをドライブする事ができた。フィルミングデイを使ったテストで、最初は2018年型のマシンで、その後今年のマシンで走る事ができた。イモラで最後にレースをしたのは2012年だけど、ここは僕のお気に入りのコースだったから、走るのは超楽しかった。

レース、アドレナリン、競争、スピード。恋しかったよ。再びレースができる事になって最高に嬉しい。ほぼ毎週のようにレースが組まれているから、凄く慌ただしくなると思うけど本当にエキサイティングだ。序盤はファンなしでレースをしなきゃならず残念だけど、できるだけ早く、なおかつ安全にシーズンをスタートさせることが重要なんだと思ってる。今後数ヶ月で状況が改善されることを期待しているよ。

安全対策は万全だと信じている。移動の方法や人々との会話の仕方など、健康に関連したあらゆる種類のルールがあるんだ。一筋縄ではいかないだろうけど、必要な予防措置はすべて講じられている。少なくとも僕らドライバーにとっては、クルマに乗っている時は全てが今まで通りの普通のことのように見えるだろうけど、一歩外に出れば状況は複雑だ。


昨年のグランプリでは2番グリッドのマックス・フェルスタッペンが後続を3秒引き離してトップチェッカーを受け、2015年よりF1に復帰したホンダに13年ぶりの勝利の美酒を授けた。2位はシャルル・ルクレール(フェラーリ)、3位はバルテリ・ボッタス(メルセデス)という結果だった。

2020年シーズンの開幕F1オーストリアGPはレッドブル・リンクを舞台として、日本時間7月3日(金)18時からのフリー走行1で幕を開ける。

F1オーストリアGP特集