記念すべき第一回ル・マン24時間バーチャル（24 Hours of Le Mans Virtual）の決勝レースが、6月13日(土)から14日(日)にかけてオンラインシュミレーター「rFactor2」を舞台に行われ、LMP2クラス30台、GTEクラス20台の計50台が参戦。世界37ヶ国から200名のトップドライバーとシムレーサーが集結し、24時間に渡る死闘を演じた。

総合優勝を飾ったのは、1号車レベリオン・ウィリアムズ・Eスポーツ（ルイ・デルトラズ、ラファエル・マルチェッロ、キュバ・ブレジンスキ、ニコデム・ウィスニエフスキー）。ポールシッターの4号車バイコレス-バーストeスポーツを17.7秒差で抑えた。GTEクラスは93号車ポルシェeスポーツチーム（ニック・タンディ、アイハンカン・ギュベン、トミー・オストガート、ジョシュア・ロジャース）が勝利を手にした。

トヨタ・ガズーレーシングは8号車（セバスチャン・ブエミ、ブレンドン・ハートレー、山下健太、ユーリ・カスドルプ）が3ラップダウンの11位と健闘。7号車（マイク・コンウェイ、小林可夢偉、ホセ・マリア・ロペス、マキシム・ブリアン）は4周遅れの14位という結果となった。

© Xynamic Automotive Photography / 1号車レベリオン・ウィリアムズ・Eスポーツ

現役F1ドライバー勢の最上位はアルファタウリ・ホンダのピエール・ガスリー。ジャン=エリック・ベルニュとヤルノ・オプメール、アイザック・ギリセンと共にオレカ07 LMP2マシンを駆り、24号車ヴェローチェeスポーツ1が5位を獲得した。

エンジンブロー等のメカニカルトラブルが存在し得ない一方で、シムレースにはネットワーク回線やソフトウェア上のバグと言った特有の問題が起こりうる。今回のレースでは注目ドライバー達が技術的な問題で走行を妨げられた。

2度のF1チャンピオンにして現実のル・マン優勝者でもあるフェルナンド・アロンソはレース開始早々、シモーナ・デ・シルベストロがドライブするポルシェ911RSRと接触。ストップ&ゴーペナルティを受ける事となったが、その際にマシンサービスが許されず給油できなかった事からガス欠となり、FA/RB ALLINSPORTの14号車はリタイヤを強いられた。

だが、5時間が経過したところで技術的な問題によるサーバー再起動のための赤旗が出された事でレース復帰のチャンスを得て、最終的に8ラップダウンの総合17位でフィニッシュした。

生還したアロンソと「病みそう」な可夢偉

レース中盤に差し掛かったところでは、隊列を牽引していた20号車チームレッドラインのマックス・フェルスタッペン（レッドブル・ホンダ）が、ピットレーン内での接触事故に見舞われた後、技術的な不具合が原因と見られるクラッシュによってマシンを破損した。

修理のために多くの時間を失った挙げ句、AIにコントロールを奪われた事が原因でドライバー達はサーバーにログインできなくなったようで、11時間が経過したところでリタイヤを強いられた。

しかしながらこちらも、残り4時間半で発生した2度目のサーバー障害による赤旗のタイミングでレースに復帰。フェルスタッペンとランド・ノリスが再びステアリングを握ることはなかったが、シムレーサーのアッツェ・ケルコフが25位でチェッカーを受けた。6号車ペンスキーも技術的なトラブルに見舞われ総合27位に終わった。

レースの模様は公式YouTubeチャンネルの他、世界57ヶ国の大手テレビ局によって放映された。ライブタイミングへのアクセス数は1,300万回を超えた。

第一回ル・マン24時間バーチャル決勝結果