ル・マン24時間バーチャルに参戦するチームレッドライン
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ルマン24 Virtual:サーバー再起動の赤旗、生還したアロンソと「病みそう」な可夢偉

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金曜に行われた20分間の予選セッションを経て、史上最大規模のシム耐久戦、ル・マン24時間バーチャル(24 Hours of Le Mans Virtual)の決勝レースが日本時間6月13日(土)22時にスタートを迎えた。

開始8時間が経過しようとする中、ストフェル・バンドーンとノーマン・ナトを擁するヴェローチェeスポーツ2がLMP2クラスをリード。2秒後方にはマックス・フェルスタッペンとランド・ノリスが名を連ねるチーム・レッドラインが迫る。GTEクラスはポルシェeスポーツの3チームがトップを競い合う。ポールシッターのバイコレス4号車はトム・ディルマンが好スタートを切ったものの、ジャンプスタートでペナルティを受けた。

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的流行で延期された第88回ル・マン24時間レースに代わり、この日、世界屈指のリアルレーサーとシムレーサー計200名がオンラインを通して一堂に会し、LMP2クラス30台、GTEクラス20台に分かれて「rFactor2」をプラットフォームする闘いに挑んだ。

レースは5時間が経過したところで技術的な問題を抱え、サーバー再起動のための赤旗が出された。隊列は整理され、レースは約30分後にリスタートを迎えた。シムレースはリアルと異なりメカニカルトラブルがなく、排水溝の蓋が飛んで車両が破損する事も観客がコースに飛び出してくる事もない分、シム特有のアクシデントが起こる事もある。

これにより、フェルナンド・アロンソとルーベンス・バリチェロが共闘するFA/RB ALLINSPORTの14号車がレース復帰の恩恵を受けた。

アロンソ駆る14号車はレース開始早々、シモーナ・デ・シルベストロがドライブしていたGTEクラスのポルシェ911RSRと接触。ストップ&ゴーペナルティを受ける事となったが、アロンソの説明によると、その際マシンサービスが許されず給油できなかった事からガス欠となったようで、事実上のリタイヤを強いられていた。

69ラップダウンという状況から、突如復帰のチャンスを得た14号車は、6ラップダウンの最後尾からレースにカムバックした。

トヨタ・ガズーレーシング勢は、ブレンドン・ハートレー駆る8号車が2ラップ目にインディアナポリスコーナーでスピンを喫し大きく後退。他方ホセ・マリア・ロペスがステアリングを握った7号車は次々にオーバーテイクを重ね、18番手から一気に上位に浮上したものの、次にタスキを受けた小林可夢偉が苦戦。ズルズルとポジションを落としていった。

ペースが上がらなかった理由について小林可夢偉は「経験の差」を挙げた。曰く、実車であれば何処まで攻めて良いのかの判断がつくものの、シムレースの場合は経験がない分、限界が分からないため、かなり安牌を切ったドライビングを心がけていたのだという。

速く走りたいのにペースを抑えて走らなければならない…そんな葛藤を抱えながらの走行は精神的にキツいようで、小林可夢偉は「病みそうですね、ホンマ(笑 」と付け加えた。

レースの模様は以下のWEC公式YouTubeチャンネルにて無料配信されている。ライブタイミングはこちら