ガレージからコースへと向かうメルセデスAMGのW11、2020年F1バルセロナテスト
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F1バルセロナテスト《5日目》総合結果:ホンダ2番手、メルセデスはエンジントラブルで僅か61周

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2020年F1バルセロナテスト5日目のセッションが2月27日(木)にカタロニア・サーキットで行われ、スクーデリア・フェラーリのセバスチャン・ベッテルがトップタイムを記録した。

この日、終日に渡ってSF1000を駆ったベッテルは、午前中に最も柔らかいC5コンパウンドで1分16秒841の暫定トップタイムを記録。結局これが破られることはなくタイムシート最上位に立ち、8時間に渡って行われたセッションで合計145周を走り込んだ

アルファタウリ・ホンダAT01に乗り込むピエール・ガスリー、2020年F1バルセロナテスト5日目
© Getty Images / Red Bull Content Pool

2番手はアルファタウリ・ホンダのピエール・ガスリー。午後イチに一番乗りで100周の大台に乗せた後、日が沈み始めて西日が強くなった最終盤にC4とC5コンパウンドを使ってパフォーマンスランを行い、レーシングポイントのランス・ストロールを1000分の52秒差で3番手に従えた。こちらは139周を走破した。

この日も現地バルセロナは晴天に恵まれたものの、昨夜の雨の影響で路面には所々に水たまりができ、セッションは気温9℃、路面温度10℃のダンプコンディションでスタート。各車まずは雨用のインターミディエイトタイヤでコースへと入り、ドライコンディションへと変わった1時間後以降に徐々にスリックへと履き替えた。

レッドブル・ホンダは午前をマックス・フェルスタッペンが、午後をアレックス・アルボンが担当。RB16には0.3秒のゲインが見込まれると噂の大掛かりなアップグレードが投入され、フロントノーズ下のケーブエリアやバージボードが一新されたものの、理想的な一日とはならなかった。

フェルスタッペンはセッション開始2時間半過ぎのところで、ウェットパッチに足を取られてスピンを喫し、ターン5のグラベルの餌食となり、身動きが取れなくなったため赤旗が振られた。この影響もあって午前は31周の走行に留まり、午後の61周と合算しても92周と大台に届かず、2人はクイックラップを終える事なくクルマを降りた。両者はC2コンパウンドでタイムを残し、フェルスタッペンが6番手、アルボンが10番手という結果だった。

インターミディエイトで走行するメルセデスW11
© Daimler AG、午前の最初の1時間ほどはウェットコンディションの中でセッションが行われた

これまで圧倒的なマイレージを稼ぎ、盤石のテストを過ごしてきたメルセデスだが、この日は懸念されていたパワーユニットの信頼性不足に足を引っ張られる事となった。

午前を担当したバルテリ・ボッタスからステアリングを引き継ぎ、午後のセッションに臨んだルイス・ハミルトンであったが、グリーンフラッグが振られても一向にガレージから出てこず、1時間後にようやくコースインしたかと思った矢先に、ターン6を通過したところで突如マシンがストップした。

詳細な分析はこれからだとしながらも、チームは油圧系に問題が発生したために予防措置としてエンジンがシャットダウンしたと発表した。同じメルセデスの最新型パワーユニット「M11」を搭載するウィリアムズFW43は、昨日までに既に3基のエンジン投入を強いられており、信頼性を疑問視する声が上がっていた。

皮肉にも最多周回はウィリアムズだった。この日FW43のステアリングを握ったニコラス・ラティフィは、順調に走行を続けてトータル160周を走破。C5コンパウンドでマクラーレンのランド・ノリスを5番手に押さえ、4番手タイムをマークした。

フィニッシュラインを駆け抜けるウィリアムズFW43、2020年F1バルセロナテスト
© Williams Racing

ルノー勢は午前をエステバン・オコンが、午後をダニエル・リカルドが担当。この日もマイレージ的には物足りない96周に終わり、C4コンパウンドを履いたオコンが8番手、C3タイヤのリカルドが11番手という結果となった。

この日は路面が濡れていたことに加えて強風が吹き荒れた事もあり、ハミルトンのマシンストップを含めて計4度の赤旗が振られた。1回目はアルファロメオのアントニオ・ジョビナッツィ。午前中にターン4で車体後方からバリアに激突した。2度目はフェルスタッペン。3度目はベッテルで、フェルスタッペンと同じ様にターン5に突っ込んだ事で、大量の砂利をコース上に撒き散らしたためであった。

最終6日目のセッションは2月28日(金)現地9時から18時までの8時間に渡って、カタロニア・サーキットで行われる。

2020年 F1バルセロナテスト《5日目》総合結果

Pos Driver Time Gap Tyre Laps
1 セバスチャン・ベッテル
Ferrari
1:16.841 C5 145
2 ピエール・ガスリー
AlfaTauri
1:17.066 + 0.225 C5 139
3 ランス・ストロール
Racing Point
1:17.118 + 0.277 C3 130
4 ニコラス・ラティフィ
Williams
1:17.313 + 0.472 C5 160
5 ランド・ノリス
Mclaren
1:17.573 + 0.732 C3 113
6 マックス・フェルスタッペン
Red Bull
1:17.738 + 0.897 C2 31
7 バルテリ・ボッタス
Mercedes
1:17.985 + 1.144 C3 47
8 エステバン・オコン
Renault
1:18.013 + 1.172 C4 37
9 ケビン・マグヌッセン
Haas
1:18.225 + 1.384 C3 111
10 アレックス・アルボン
Red Bull
1:18.393 + 1.552 C2 61
11 ダニエル・リカルド
Renault
1:18.395 + 1.554 C3 59
12 アントニオ・ジョビナッツィ
Alfa Romeo
1:19.670 + 2.829 C3 92
13 ルイス・ハミルトン
Mercedes
1:22.425 + 5.584 C3 14