メルセデスW11をドライブするルイス・ハミルトン、2020年F1バルセロナテスト4日目
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7連覇に黄色信号? メルセデスF1、テスト連日好調も 盤石の足元にまさかの懸念材料

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盤石に見えるメルセデスAMGだが、意外と大きな爆弾を抱え込んでいる可能性もある。ダブルタイトル7連覇の野望をなし崩す要素があるとするならば、それはエンジンの信頼性かもしれない。

26日に行われたプレシーズンテスト4日目。午前のセッション中にウィリアムズFW43がオイル漏れでコース上で停止し、赤旗の原因を作った。原因はリアに積んでいたメルセデス製F1パワーユニットだった。車両パフォーマンス部門を率いるデイブ・ロブソンは、PUのオイルシステムに問題が発生していた事を明らかにした。

チームは午後のセッションに向けてエンジン交換を実施。4日目にして3基目の投入だった。グリッド降格ペナルティなしに2020年シーズン中に交換できるのは3基までだ。チーム副代表を務めるクレア・ウィリアムズは、多発するエンジントラブルに不満を訴えた。

「エンジントラブルのせいで少しフラストレーションを抱える事になりました」とクレア・ウィリアムズ。

「これで3度目のエンジントラブルです。問題の影響で我々はかなりの走行時間を失っています。テストではこういった事も起こるものですが、少なくともこれはシャシー側の問題ではありません」

昨年最も高い信頼性を発揮したメルセデス製F1パワーユニットだが、ウィリアムズは先週の第1回テストでも2度のエンジン交換を余儀なくされており、最新型の「M11」には繰り返し問題が発生している。クレア・ウィリアムズは次のように続ける。

「先週も幾つかの問題がありました。金曜日の件についてはまだ調査中ですので、詳しくはメルセデスに聞いて下さい。とは言え、まだ問題を特定できていないように思います。木曜日の夜の件はMGU-Hの問題であったと私は考えています」

「金曜日の午前中の問題は我々サイドのものでした。センサーに問題があったのです。それにより、おそらく30分ほどコースから離れる事になりましたが、我々の管理下で発生した問題はそれのみです」

予期せぬアクシデントのために、午前を担当したニコラス・ラティフィは48周に留まり、午後にFW43のステアリングを握ったジョージ・ラッセルも59周止まりと、この日のマイレージは107周に留まった。