山本尚貴、2020年はF1で仕事? レッドブルがホンダを通して「好条件のオファー」
ホンダF1の山本雅史マネージング・ディレクターは、山本尚貴が2020年シーズンのF1で何らかの役割を担えるように、現在レッドブル・レーシング側と交渉の場を持っている事を英AUTOSPORTとのインタビューの中で明らかにした。
報じられた内容によれば、山本雅史MDはモータースポーツ・アドバイザーを務めるヘルムート・マルコとの交渉の中で、レッドブル側から山本尚貴に対する「好条件のオファー」があった事を明らかにし、本人と相談した上で最終決定を下すという。
提案された役割がリザーブドライバーなのか開発ドライバーなのか、はたまたレッドブル・レーシングに関わる役職なのか、姉妹チームのアルファタウリ(旧トロ・ロッソ)側の仕事なのか、詳しいことは一切明らかにされていないが、来季レッドブルはマックス・フェルスタッペンとアレックス・アルボン、新生アルファタウリはピエール・ガスリーとダニール・クビアトのラインナップで選手権に臨む事が既に決定している。
ホンダは佐藤琢磨以来となる日本人F1ドライバーの輩出を目指し、Hondaフォーミュラ・ドリーム・プロジェクト(HFDP)を主催。今季は松下信治をFIA-F2選手権に、名取鉄平と角田裕毅をFIA-F3選手権に送り込み、若手の育成に務めているが、山本雅史MDは「若手の中に山本尚貴ほど成熟したドライバーはいない」と断言しており、名実ともに山本尚貴がホンダのエースドライバーという立場にある。
山本尚貴は昨年のスーパーフォーミュラでチャンピオンを獲得すると共に、2009年のF1ワールドチャンピオン、ジェンソン・バトンと共にSUPER GTを制覇。今季日本グランプリのFP1で初めてF1マシンをドライブし、同じSTR14のステアリングを握ったキャリア通算88戦を誇るダニール・クビアトから僅か0.098秒遅れのタイムを刻んでみせた。
ホンダは例年、四輪モータースポーツ活動の体制発表を1月上旬に行っており、現時点では来季に関する正式決定はないものの、ヘルムート・マルコによると、注目株の角田裕毅は来シーズンにFIA-F2選手権にステップアップするようで、12月上旬にヤス・マリーナ・サーキットで行われたF2テストにカーリンから参加している。また、松下信治はソーシャルメディアを通して、来季も海外シリーズへ参戦する事を仄めかしている。