ペンスキー、インディアナポリスでのF1グランプリ復活を検討
新しくインディアナポリス・モーター・スピードウェイ(IMS)のオーナーとなったロジャー・ペンスキーは、IMSでのイベント数の増加に前向きな姿勢を示し、F1世界選手権復帰の可能性を検討する事を明らかにした。
ハルマン・アンド・カンパニー社は4日(月)にIMSで記者会見を行い、ペンスキー・エンターテイメント社に、IMSを含む同社の資産の大部分を売却すると発表。世界3大レースの1つ、インディ500マイルの舞台は、米国モータースポーツ界の重鎮の支配下に置かれる事となった。
IMSはもともと、ハイスピードオーバルのみを有するトラックであったが、インフィールドセクションを増設して1周4.192kmのコースを作り上げ、2000年から2007年にかけてF1アメリカGPを開催した。この間行われた8回のグランプリでは、ミハエル・シューマッハが5勝をマークしている。
会見の中で、スピードウェイ買収後の計画について質問されたロジャー・ペンスキーは、F1の開催を検討すると明言した。
「数年前に投じられた1億ドルの投資によって、IMSは大きく変わったと思う。我々はこれを何に使えば良いだろうか。24時間レース、あるいはフォーミュラ1を開催できるだろうか。我々に何が出来るだろうか?」
「IMSは非常に価値ある資産だ。NASCARのレースが追加された事で伝統は破られたものの(注:もともとIMSでのレースは年に一度のインディ500に限定されていたが、1994年にNASCARが初めて追加開催された)、もう何年にも渡って開催を続けてきたわけで、我々は今後もこれを間違いなく支持する。私はこれらの全て事を検討した上で、何ができるか考えるつもりだ」
左:ロジャー・ペンスキー、右:トニー・ジョージ
IMSでのアメリカGPで最も記録に残るのは2005年のイベントだ。ミシュランタイヤがIMSの路面に対応できず幾度となくバーストし、全7チーム14台のミシュラン勢がレースを欠場。ブリヂストンを履く3チーム6台のみでレースが行われる事態となった。
この2年後、IMSでの開催に終止符が打たれ、F1は4年に渡ってアメリカを離れた。F1サーカスがカムバックしたのは2012年。以降、サーキット・オブ・ジ・アメリカズ(COTA)でF1アメリカGPが開催されている。
F1オーナーのリバティ・メディアは、カレンダーに2つ目のアメリカ戦を揃えたいと考えており、F1マイアミGPの名のもとに、2021年にハードロック・スタジアムを使った市街地コースでの開催が合意されている。