ベッテル最速、レッドブル・ホンダ初陣のアルボンが好走4番手 / F1ベルギーGP《FP1》結果とダイジェスト
サマーシャットダウンが終わり、シーズン13戦目となるF1世界選手権ベルギーGPが、8月30日にスパ・フランコルシャンで開幕を迎え、日本時間18時から金曜1回目のフリー走行が行われた。
グランプリ一発目のセッションを制したのは、昨年の勝者であるスクーデリア・フェラーリのセバスチャン・ベッテル。1分44秒574のトップタイムを記録した。2番手にはトップから遅れる事0.214秒でチームメイトのシャルル・ルクレールが続き、まずは跳馬がライバルを一歩先行してみせた。
赤いマシンに続いたのはレッドブル・ホンダ勢。マックス・フェルスタッペンがベッテルからコンマ9秒落ちの3番手、ピエール・ガスリーに代わって今回初めてRB15をドライブしたアレックス・アルボンは、チームメイトに1000分の77秒差に迫る4番手タイムをマークした。
スパでの週末に先立って全14台がエンジン交換を実施。ホンダ勢は、アルボンとダニール・クビアトに新型スペック4を投入した。フェルスタッペンとは異なるスペックを走らせているため比較が難しいが、それを差し引いてもアルボンのパフォーマンスには脱帽だ。高い適応能力とポテンシャルを見せつけたと言える。
トロロッソ・ホンダは新型PUを走らせたクビアトが17番手、半年ぶりにファエンツァのチームに帰ってきたガスリーは、クビアトからコンマ3秒遅れの18番手という結果に終わった。
金曜午前の現地は、スパとしては珍しく好天に恵まれ、上空には青空が広がった。後半戦最初のセッションは気温19.6℃、路面温度27.8℃のドライコンディションでスタート。公式タイヤサプライヤーのピレリは、タイヤへ負荷が大きいスパに対して、最も硬いレンジ(C1~C3)までのコンパウンドを持ち込んだ。
ホンダと同様に最新型フェーズ3を持ち込んだメルセデスは、バルテリ・ボッタスが5番手、ルイス・ハミルトンが6番手に続いた。両者は上位4台とは異なり、最も柔らかいソフトタイヤを履かずに、ミディアムでの走行を継続。ハミルトンはタイヤのオーバーヒートを訴えた。
開始20分、ハミルトンはエンジンに問題を抱え、プーオンへのアプローチの際に失速。このままコース上でマシンストップかと思われたが、暫くコースティングした後に復活。息を吹き返す珍しい場面が見られた。その後チームはガレージ内でスロットルペダルに問題があったと説明。交換作業を行った。
メルセデスのアップグレード版エンジンの成果や如何に? 同じ新型を積んだレーシングポイントは、ランス・ストロールが7番手、セルジオ・ペレスが9番手と、2台揃ってトップ10に名を刻んだ。チームはスパに新型フロントノーズを持ち込んでおり、パッケージとして進化を遂げた事を印象づけたが、奇妙なアクシデントもあった。
VIRTUAL SAFETY CAR
We have some debris on the track, and it's come from Lance Stroll's engine cover 👀#F1 #BelgianGP 🇧🇪 pic.twitter.com/4XN5hBHnYo
— Formula 1 (@F1) August 30, 2019
ストロールが高速のケメルストレートを走行していた際、右側のエンジンカバーが破損。コース上に大量のデブリが飛散し、バーチャル・セーフティーカーが導入された。自走してピットへと戻ったストロールだが、カバーの大半が失われ、内部のメルセデスエンジンが完全に露出した。
ウィリアムズは、ジョージ・ラッセルに代えてニコラス・ラティフィを起用。F1昇格を切望する若きカナダ人ドライバーは、レギュラードライバーのロバート・クビサにコンマ1秒差をつける19番手タイムを刻んだ。
アルファロメオ・レーシングは、左足の肉離れで痛みを抱えているキミ・ライコネンが、週末を通して問題なくドライブできるかどうかを確認するため、リザーブドライバーのマーカス・エリクソンに待機を命じ、ライコネンがFP1でステアリングを握った。
最年長のベテランは、チームメイトのアントニオ・ジョビナッツィにコンマ3秒差を付けて13番手タイムをマーク。残りのセッションでの走行は有望そうに見える。
2019年F1第ベルギーグランプリ2回目のフリー走行は、日本時間30日(金)22時から1時間半の日程で開催される。
2019年F1第13戦ベルギーGPフリー走行1(FP1)リザルト
Pos | No | Driver | Team | Time | Gap | Laps |
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1 | 5 | ベッテル | フェラーリ | 1:44.574 | 20 | |
2 | 16 | ルクレール | フェラーリ | 1:44.788 | +0.214 | 20 |
3 | 33 | フェルスタッペン | レッドブル | 1:45.507 | +0.933 | 18 |
4 | 23 | アルボン | レッドブル | 1:45.584 | +1.010 | 19 |
5 | 77 | ボッタス | メルセデス | 1:45.882 | +1.308 | 25 |
6 | 44 | ハミルトン | メルセデス | 1:45.973 | +1.399 | 16 |
7 | 18 | ストロール | レーシングポイント | 1:46.198 | +1.624 | 16 |
8 | 3 | リカルド | ルノー | 1:46.426 | +1.852 | 23 |
9 | 11 | ペレス | レーシングポイント | 1:46.433 | +1.859 | 22 |
10 | 55 | サインツ | マクラーレン | 1:46.557 | +1.983 | 20 |
11 | 27 | ヒュルケンベルグ | ルノー | 1:46.669 | +2.095 | 23 |
12 | 4 | ノリス | マクラーレン | 1:46.670 | +2.096 | 19 |
13 | 7 | ライコネン | アルファロメオ | 1:47.024 | +2.450 | 20 |
14 | 8 | グロージャン | ハース | 1:47.176 | +2.602 | 18 |
15 | 99 | ジョビナッツィ | アルファロメオ | 1:47.333 | +2.759 | 22 |
16 | 20 | マグヌッセン | ハース | 1:47.488 | +2.914 | 21 |
17 | 26 | クビアト | トロロッソ | 1:47.636 | +3.062 | 20 |
18 | 10 | ガスリー | トロロッソ | 1:47.968 | +3.394 | 26 |
19 | 40 | ラティフィ | ウィリアムズ | 1:48.784 | +4.210 | 24 |
20 | 88 | クビサ | ウィリアムズ | 1:48.966 | +4.392 | 24 |
コンディション
天気 | 晴れ |
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気温 | 19.6℃ |
路面温度 | 27.8℃ |
セッション概要
グランプリ名 | F1ベルギーGP |
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セッション種別 | フリー走行1 |
セッション開始日時 |
サーキット
名称 | スパ・フランコルシャン |
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設立 | 1921年 |
全長 | 7004m |
コーナー数 | 19 |
周回方向 | 時計回り |