フェルスタッペン、ターボラグで0.2秒をロス「スペック3とは無関係」F1イギリスGP《予選》
F1イギリスGP公式予選を4番手で終えたレッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペンは「ターボラグが出てしまい、低速コーナーで思うようにパワーが得られなかった」と語り、パワーユニットに問題が発生していなければポールを狙えたはずだとの認識を示し、悔しさを滲ませた。
シルバーストンでの予選に挑んだフェルスタッペンは順当に最終Q3へと進出。思い描いた様にエンジンパワーが得られずにドライバビリティが悪化した状態であったが、ポールポジションを獲得したメルセデスのバルテリ・ボッタスに0.183秒に迫る4番手につけた。
クリスチャン・ホーナー代表は「シルバーストンはエンジンパワーが要求されるサーキット。ポールポジションから0.2秒以内につけたマックスの4番手は非常に満足できる結果」と語った。
ホンダPUにターボラグ、0.2秒をロス
グリッド争いを振り返ったフェルスタッペンは「今日は一日中ターボラグに悩まされていた」と語り、ホンダのパワーユニットに問題が発生した事を明かした。
曰く「0.15秒か0.2秒位を失っていたはず」との事。コンマ2秒のゲインがあれば、ボッタスのポールタイムを上回る計算となる。同様の問題は過去にも何度か発生しているようだが、これはフランスGPで投入されたエンジンアップグレード(スペック3)に関連したものではないという。
「低速コーナーにおいて、期待していたようなパワーが得られなかったんだ」とフェルスタッペン。「通常は調整出来るんだけど、どういうわけか今日はそれが出来なかった。低いエンジン回転数になる一部のコーナーでパワーをかけようとすると、ラグが出てしまうんだ。アクセルを踏むと何の反応もなく、その後急にパワーがかかる感じだった」
「そのためにパフォーマンスが低下してしまった。特にここは、ほとんどのコーナーの後に長めのストレートがあるから、次々にタイムを失ってしまう事になる。Q3のラップそのものは良かったんだ。ターボラグだけが残念だよ。その分のタイムロスがなければ、ポール争いが出来ていたんじゃないかと思う」
F1のパワーユニットには、MUG-Hと連結する形でターボチャージャーが搭載されている。ターボは、排ガスを利用してコンプレッサーを可動させ、エンジン内部に圧縮空気を送り込む仕組みであるため、排ガス量が少ない低回転数の状態からアクセルを踏み込む際は、若干間を置いてターボが起動し始める。
これが所謂ターボラグというものだが、パワーユニットでは上記のようにターボが機能しにくい状態にある時に、MUG-Hが代わってコンプレッサーを可動させ、ターボラグを解消させるように作られている。
スロット周りに何らかの問題が発生していたのか、セッティングの問題なのか。現在調査中との事で詳細はまだ分かっていない。
マシンの仕上がりには満足、決勝に向けて自信
自ら「史上最悪の金曜日」と称したその翌日、チームはフェルスタッペンのマシンのセットアップを調整。その努力は報われたようだ。
「予選前はマシンバランスに満足し切れていなかっただけに、2列目が獲得できて本当に嬉しい」とフェルスタッペン。「ここは高速コーナーが多いから、良いラップタイムを刻むためには、自信を持ってドライブできるマシンが必要なんだけど、予選に向けてセットアップに変更を加えた結果、素晴らしいマシンを手に入れる事ができた」
「ストレートでのパフォーマンスに関しては、上手いこと丁度良いウイングレベルを見つけられたと思う。僕らは大抵の場合、予選よりもレースの方が良いパフォーマンスを発揮できているから、予選でのマシンバランスの良さを思うと、決勝には自信が持てる」
決勝では、最前列のメルセデスと同じくミディアムコンパウンドを履いてレースに臨む。一方で、フェルスタッペンと同じ2列目からスタートするフェラーリのシャルル・ルクレールはソフト。戦略の違いはレース展開にどう影響するか。
「シルバーストン・サーキットはタイヤへの負担が大きいから、戦略がすごく重要になる。決勝で良い戦いができるよう全力を尽くすよ」
2019年F1イギリスグランプリ決勝レースは、日本時間14日(日)22時10分から行われ、1周5891mのシルバーストン・サーキットを52周する事で勝敗を決する。