ボッタスが跳馬抑えて最速発進、ホンダ勢はガスリーの8番手が最上位 / F1スペインGP《FP1》結果とダイジェスト
シーズン5戦目となるF1世界選手権スペインGPが、現地5月10日にバルセロナ近郊に位置するカタロニア・サーキットで開幕を迎え、日本時間同日18時から金曜1回目のフリー走行が行われた。グランプリ一発目のセッションを制したのは、選手権をリードするメルセデスAMGのバルテリ・ボッタス。1分17秒951のトップタイムを記録した。
2番手は、スペック2エンジンを搭載したスクーデリア・フェラーリのセバスチャン・ベッテル。ボッタスには0.115秒届かなかった。3番手は同0.221秒差でシャルル・ルクレール。低速の第3セクターでフェラーリを上回ったメルセデスW10がアドバンテージを稼いだ。ルイス・ハミルトンはリアタイヤのグリップ不足を訴え、4番手と今一つ納得のいかない出だしとなった。
ホンダエンジン勢は、レッドブルのピエール・ガスリーが8番手で最上位。トップとのギャップは1.334秒と大きいが、ボッタスが最も柔らかいソフトでタイム計測したのに対して、ガスリーは一段階硬めのミディアム。コンパウンド差を補正すれば、まずまずのタイムを残したと言える。
ガスリーに対して1000分の79秒差の9番手に迫ったのは、最多周回数となる34ラップを走り込んだトロロッソのダニール・クビアト。チームメイトのアレックス・アルボンは15番手という結果となった。マックス・フェルスタッペンはパワーユニットのオイルリークに見舞われ、走行僅か14周の12番手。時計の針が90分を指す前にクルマを降りた。
3強の争いはメルセデスが一歩先行したかに思われたが、最速を刻んだボッタスのマシンに油圧関連の問題が発生。エンジンを保護するためにセーフモードが起動し、周回数としては見劣りする19ラップに終わっている。
金曜午前の現地バルセロナは快晴に恵まれ、セッションは気温22℃、路面温度31℃のドライコンディションでスタートした。公式タイヤサプライヤーのピレリは、タイヤへの入力が厳しいカタロニアにC1からC3の最も硬い3種類のコンパウンドを持ち込んだ。
スペインGPのFP1は、全21戦で構成されるF1カレンダーの中で最も重要なプラクティスセッションとされる。その理由は、全てのチームが大規模なアップグレードを投入する点にある。各チームは週末の準備ではなく新パーツの評価に時間を割き、シーズン中盤以降の勢力図を占うターニングポイントと位置づけられる。
ミッドフィールド最速をマークしたのはハース。比較評価のために2台のマシンの仕様を分け、ロマン・グロージャンにのみアップグレードパッケージを投入。ケビン・マグヌッセンは開幕前テスト時と同じ旧仕様のクルマを走らせた。
ハース今季初のアップグレードはフロアやバージボード全体に及び、フロントウイングも一新。グロージャンはソフトタイヤで5番手タイムを記録し、7番手マグヌッセンにコンマ6秒の大差を付けた。
新型パワーユニットの評価のためと推測されるが、ルノーはダニエル・リカルドのマシンにのみスペック2エンジンを搭載。エアロとエンジンの両方のアップグレードを搭載したリカルドであったが、チームメイトのニコ・ヒュルケンベルグに1000分の61秒届かず11番手に終わった。
セッション終了間際には、レーシングポイントのランス・ストロールがクラッシュ。新型のフロントサスペンションをはじめとする貴重な新パーツを破損し、セッションは赤旗中断のままチェッカーフラッグを迎えた。ストロールは13番手、チームメイトのセルジオ・ペレスは17番手に終わった。
2018年F1第5戦スペイングランプリ2回目のフリー走行は、日本時間5月10日(金)22時から1時間半の日程で開催される。
2019年F1第5戦スペインGPフリー走行1(FP1)リザルト
Pos | No | Driver | Team | Time | Gap | Laps |
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1 | 77 | ボッタス | メルセデス | 1:17.951 | 19 | |
2 | 5 | ベッテル | フェラーリ | 1:18.066 | +0.115 | 20 |
3 | 16 | ルクレール | フェラーリ | 1:18.172 | +0.221 | 20 |
4 | 44 | ハミルトン | メルセデス | 1:18.575 | +0.624 | 22 |
5 | 8 | グロージャン | ハース | 1:18.943 | +0.992 | 25 |
6 | 55 | サインツ | マクラーレン | 1:19.155 | +1.204 | 31 |
7 | 20 | マグヌッセン | ハース | 1:19.180 | +1.229 | 27 |
8 | 10 | ガスリー | レッドブル | 1:19.285 | +1.334 | 30 |
9 | 26 | クビアト | トロロッソ | 1:19.364 | +1.413 | 34 |
10 | 27 | ヒュルケンベルグ | ルノー | 1:19.450 | +1.499 | 25 |
11 | 3 | リカルド | ルノー | 1:19.511 | +1.560 | 24 |
12 | 33 | フェルスタッペン | レッドブル | 1:19.844 | +1.893 | 14 |
13 | 18 | ストロール | レーシングポイント | 1:19.855 | +1.904 | 28 |
14 | 99 | ジョビナッツィ | アルファロメオ | 1:20.021 | +2.070 | 28 |
15 | 23 | アルボン | トロロッソ | 1:20.030 | +2.079 | 25 |
16 | 4 | ノリス | マクラーレン | 1:20.066 | +2.115 | 33 |
17 | 11 | ペレス | レーシングポイント | 1:20.459 | +2.508 | 26 |
18 | 7 | ライコネン | アルファロメオ | 1:20.591 | +2.640 | 22 |
19 | 88 | クビサ | ウィリアムズ | 1:20.889 | +2.938 | 27 |
20 | 63 | ラッセル | ウィリアムズ | 1:20.990 | +3.039 | 23 |
コンディション
天気 | 晴れ |
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気温 | 22℃ |
路面温度 | 31℃ |
セッション概要
グランプリ名 | F1スペインGP |
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セッション種別 | フリー走行1 |
セッション開始日時 |
サーキット
名称 | カタロニア・サーキット |
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設立 | 1991年 |
全長 | 4657m |
コーナー数 | 14 |
周回方向 | 時計回り |