悲しみに包まれるF1開幕記者会見…ベッテルら、ホワイティング死去に愕然「昨日一緒に話をしたばかりなのに…」
スクーデリア・フェラーリのセバスチャン・ベッテルは、「昨日一緒に歩きながら会話を交わしていたのに…」と述べ、チャーリー・ホワイティングの死を痛んだ。
FIA国際自動車連盟のレースディレクターとして、F1の発展と安全性向上に多大な貢献を果たしてきたチャーリー・ホワイティングが14日早朝に逝去。アルバート・パーク・サーキットで行われた2019年最初のF1公式カンファレンスは深い悲しみに包まれた。
会見に出席したベッテルは「彼とは昨日一緒に話をしてたのに。。ターン1に向かってコース上を一緒に歩きながらね。受け入れ難い。彼はドライバーの立場になって物事を見てくれる人だった。何時だって誰に対してもオープンだったし、偉大なレーサーだった。本当に素晴らしい人を亡くしてしまった」
ベッテルは記者会見前日の13日に、ホワイティングと共にトラックウォークを楽しんでいた。同席したレッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペンは、”約束が果たせなかった”と述べ、悔しそうな表情を浮かべた。
「本当に本当にショックだ」とフェルスタッペン。「数週間前、彼とジュネーブで一緒だったんだ。色んな事について楽しく話をしたばかりだったのに。その時別れ際に”オーストラリアでまた会おう”って言ってたのに…」
昨年のF1ブラジルGPで暴力沙汰を引き落とし、社会奉仕活動を命じられたフェルスタッペンは、2月9日にジュネーブで開催されたインターナショナル・スチュワード・プログラムに参加。ホワイティングらと共に、パネルディスカッションやワークショップに取り組み、競技運営という観点からF1を見つめ直す貴重な経験を積んだばかりであった。
「ニュースを聞いた時は全然信じられなかった。まだ66歳なのに…。僕らは毎朝起きる度に、今日一日を生きられる事に感謝しなきゃならないね。F1の事だけについて言ってるわけじゃないんだ。F1は人生の一部に過ぎない。今は何よりも、彼の家族や友人、そして親しい人たちの事を想ってる」
8年ぶりにF1復帰を果たすロバート・クビサも会見に出席。昨日声をかけておくべきだった、と語り、自身の行動を悔やんだ。「本当に辛い。昨日チャーリーとセバスチャンが一緒に歩いているのを目撃したんだけど、金曜のドライバーブリーフィングで会うつもりだったから、邪魔するのも悪いと思って声をかけなかったんだ。。悔しい」
「彼はフォーミュラ1のアイコン的存在だったけど、それ以外にもモータースポーツ全般に寄与した人だった。信頼できる優しい人だった。本当に悲しい」
同席した5度のF1ワールドチャンピオン、ルイス・ハミルトンも追悼の意を表した。
「チャーリーとは2007年のF1デビュー以来の付き合いだった。今朝このニュースを知って本当にショックを受けた。僕の想いは彼と彼の家族と共にある。チャーリーはこのスポーツに尽力し、トト(ウォルフ)が言ってたように、F1を担ってきた中心的な人だった。安らかに眠ってほしい」
「彼は率直な人物で、このスポーツに多くの貢献を果たしてきた」とダニエル・リカルド。「僕らも彼を見習って同じように振る舞っていくつもりだ。あぁ、、彼との素晴らしい思い出がたくさん蘇ってくるよ」
「忘れもしない。最初に会ったのは2012年のオーストラリアGPだった。(当時在籍していたトロ・ロッソのチーム代表である)フランツがチャーリーを紹介してくれてね。シーズンの始まりとともに、僕らの関係もスタートしたんだ」
「人生はあっという間に過ぎ去っていく。さっきマックスが触れたように、一瞬一瞬に感謝しながら生きる事が大切だよね。(本当に悲しい出来事だけど)僕は、誰もがみんな情熱を以て今週末のレースに挑むだろうって確信してる。このような機会を得られて本当に良かった、運が良いんだって思いながらね」