FIAジャン・トッド会長「F1は12チームが理想」新規参入を期待

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FIA国際自動車連盟のジャン・トッド会長は、F1は12チームで争うのが理想的だと述べ、将来的に2チームが新たにこのスポーツに加わる事への期待感を示した。

「この点については長きに渡って常に議論が行われてきた」ジュネーブ国際モーターショー初日、トッド会長はこう切り出した。「現在のF1は10チームを安定的に抱えているが、ご承知の通り、我々は2021年以降のコンコルド協定(商業契約)に関して、商業権利者及びチームと話し合いを行っている」

「様々な事を検討しているが、私個人としては12チームの方が好ましいと考えている。とは言え、各々のチーム代表にこの話をすれば明らかに不満げな顔をするだろう。分配金が減ってしまうからね」

「ただし最も重要な事はチームの数ではなく質であり、ショー自体のクオリティーだ。この点に関してはチェイス・ケアリー(F1の最高経営責任者)とも完全に意見が一致している。我々は非常に緊密して協力し合っている」

F1世界選手権が発足した初年度1950年は全18チームが参戦したものの、高額なコストがネックとなり大部分が即座に脱落した。多額の予算が必要な状況は現在も変わっていないどころか寧ろ高騰しており、小規模チームで年間200億円、トップチームは500億円から600億円で運営されている。

大手自動車メーカーの資本を持たないプライベーターの財務状況は年々悪化の一途を辿っており、名門と言われるザウバーやウィリアムズも例外ではない。中でも象徴的なのはフォース・インディアだ。慢性的に苦しい財務状況に置かれていた同チームは昨年、カナダ人の大富豪、ローレンス・ストロール率いる投資家コンソーシアムによって買収された。

F1のモータースポーツ部門を率いるロス・ブラウンは、2019シーズンから予算上限制度=バジェットキャップが試験的に導入されることを明らかにしており、参戦コストの削減が実現すれば、トッド会長が思い描く12チームの可能性も高まる。