F1バルセロナテスト《2日目》総合結果:跳馬勢い止まらず、ホンダ勢はガスリーがクラッシュで終了
2019年F1バルセロナ合同テスト2日目のセッションが2月19日(火)にスペインのカタロニア・サーキットで開催された。1時間のランチブレイクを挟んで、現地午前9時から午後18時まで8時間に渡ってセッションが行われ、マシン開発が遅れているウィリアムズを除く9チームが参加した。
火曜のバルセロナは雲に覆われ、初日と比べて肌寒い一日となった。とは言え午後に向けて徐々に暖かくなり、昼には気温14度、路面温度16度まで上昇。ドライコンディションに恵まれた。
© Ferrari S.p.A.、フェラーリのウェアに身を包んだルクレール
2日目も跳馬の勢いは止まらなかった。この日最速を記録したのは、セバスチャン・ベッテルからフェラーリSF90を引き継いだシャルル・ルクレール。C3タイヤで1分18秒247を記録した。ベッテルが初日にマークした18秒161にはわずかに届かなかったものの、計156周ものマイレージを稼ぎマシンの信頼性を誇示。マラネロに大量のデータを持ち帰った。
2番手タイムはマクラーレン・レーシングのランド・ノリス。周りよりも一段柔らかいC4タイヤを履いて1分18秒553をマークし、103周を走り込んだ。今季のマクラーレンは、昨年の信頼性不足を引きずってはいないようだ。3番手タイムはハースのケビン・マグヌッセン。シートのフィッティングに問題が発生したため、終盤30分は急遽ピエトロ・フィッティパルディが走行を引き継いだ。
レッドブル・ホンダはガスリーがクラッシュ
この日レッドブル・ホンダRB15をドライブしたのはピエール・ガスリー。セッション残り1時間20分のところで、ターン12でスピンを喫した。ホンダのロゴがエンジンカバーに掲げられた車体は、グラベルを乗り越えてバリアに向かってリアから激突。さほど大きなクラッシュではなかったものの赤旗中断。ガスリーの走行は早期終了という結末を迎えた。
第2セクターで自己ベストを更新している事から、アタックラップの最中だったものと思われる。どうもアウト側の芝に乗り上げコントロールを失ったようだが、決してやってはならないクラッシュであった。RB15デビューを飾ったこの日は、最速ルクレールから1.567秒落ちの7番手。当然周回数も伸びずに92周で終わる事となった。
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Day 2 of testing ends early for @PierreGASLY#F1Testing #F1 pic.twitter.com/p9ANwTa1uJ
— Formula 1 (@F1) February 19, 2019
赤旗スタートも、充実のデビューとなったアルボン
もう一台のホンダPUマシン、スクーデリア・トロロッソSTR14はアレックス・アルボンがドライブ。公式にF1マシンを走らせるのはこの日が初めてという事もあり、セッション開始直後のアウトラップでグラベルの餌食に。ほろ苦い思い出で一日をスタートさせた。
© Getty Images / Red Bull Content Pool
しかしながらその後は順調に周回を重ねて、終わってみれば132周を走破。ルクレールに次ぐマイレージを稼ぎ出した。この日100周を超えたのはこの二人のみであった。午後にはC4タイヤを履いて1分19秒301の4番手タイムを記録。ピットレーンでニコ・ヒュルケンベルグとのニアミスもあったが、充実の一日を過ごしてマシンを降りた。
最多の163周を稼いだメルセデス
ディフェンディング・チャンピオンのメルセデスは、この日も午前と午後でドライバーを分けた。午前にW10のステアリングを握ったルイス・ハミルトンは、74周を走り込んで10番手タイム。午後にバトンを引き継いだバルテリ・ボッタスは89周を走破して6番手。チームとしては何処よりも多い計163周を走り込んだ。
対照的に走行距離が伸び悩んだのがレーシングポイントとハース。この日RP19をドライブしたランス・ストロールは79周。初日を担当したセルジオ・ペレスもマシントラブルの影響で僅か30周に留まっている。マイレージ不足はボディーブローのように効いてくるだけに、少々心配だ。
リアウイングが吹っ飛んだルノー
ルノーR.S.19はリアウイングが吹き飛ぶトラブルに見舞われた。午前を担当したダニエル・リカルドがDRSを開いてホームストレートを走行していたところ、突如リアウイングが宙に舞い上がった。理由は明らかとなっていないが、レギュレーションが変更された事でリアウイングは大型化しており、DRSの作動を制御するアクチュエーターに想定外の負荷がかかったのではと予想される。
午後にステアリングを握ったニコ・ヒュルケンベルグが95周を走り込んだから良いものの、リカルドは僅かに28周。ウォーミングアップで終わってしまった。ポジション的には仲良く8番手と9番手に並んだわけだがリカルド曰く、現在はかなり保守的な仕様で走行しているとの事。開幕オーストラリアは全く違った位置にいるはずだと余裕を見せている。
F1合同テスト1《2日目》総合順位結果
Pos | Driver | Team | Time | Tyre | Laps |
---|---|---|---|---|---|
1 | ルクレール | フェラーリ | 1:18.247 | C3 | 157 |
2 | ノリス | マクラーレン | 1:18.553 | C4 | 104 |
3 | マグヌッセン | ハース | 1:19.206 | C3 | 59 |
4 | アルボン | トロロッソ | 1:19.301 | C4 | 132 |
5 | ジョビナッツィ | アルファロメオ | 1:19.312 | C4 | 101 |
6 | ボッタス | メルセデス | 1:19.535 | C3 | 89 |
7 | ガスリー | レッドブル | 1:19.814 | C3 | 92 |
8 | ヒュルケンベルグ | ルノー | 1:19.837 | C3 | 95 |
9 | リカルド | ルノー | 1:19.886 | C3 | 28 |
10 | ハミルトン | メルセデス | 1:19.928 | C3 | 74 |
11 | ストロール | レーシングポイント | 1:20.433 | C3 | 79 |
12 | フィッティパルディ | ハース | 1:21.849 | C3 | 13 |