ダニール・クビアト
Courtesy Of Red Bull Content Pool

トロロッソ・ホンダ、ガスリーの後任としてダニール・クビアトとの契約締結を正式発表

  • Published:

F1に参戦するレッドブル・トロロッソ・ホンダはF1ロシアGP2日目の2018年9月29日、来季レッドブルへの昇格を果たすピエール・ガスリーの後任として、ダニール・クビアトと契約を結んだ事を明らかにした。

ロシア出身の24歳は2014年にスクーデリア・トロロッソからF1デビューを飾り、フェラーリへと移籍したセバスチャン・ベッテルの後任として翌15年にレッドブル・レーシングへ昇格。その後、安定感を欠いたドライビングを理由に、2016年の第4戦ロシアGPを以て再びトロロッソへの降格を言い渡された。

2017年の第14戦シンガポールGPをリタイヤという形で終えると、その翌戦マレーシアGPでピエール・ガスリーと交代。第17戦アメリカGPでスポット参戦し復活するも、これを以てシートを完全に喪失した。

レギュラードライバーとしての契約だけでなくレッドブル育成契約も解除となったクビアトは今年、スクーデリア・フェラーリの開発ドライバーを務めながらF1浪人生活を送っていた。

「まず最初に、もう一度F1でレースをするチャンスを与えてくれたレッドブルとトロロッソに感謝したい」とクビアト。古巣でのF1カムバックを喜んだ。

「馴染みのチームからF1に復帰できて本当に嬉しいよ。トロロッソとはこれまでずっと気持ちよく仕事をさせてもらってたし、来年もそれは変わらないはずだ」

「僕のドライビングスキルを信頼してくれたフェラーリにも感謝してる。おかげで、開発ドライバーとしてF1との接点を保つことができたからね。僕の仕事は主にシミュレーター作業だったんだけど、色々勉強になった。今はトロロッソを離れた時よりも腕が上がってると思ってる。準備は万端さ」

「いつかまたレースをするって夢を諦めなかった。僕はまだ若いし新しいチャンスが訪れた時に備えて、常に準備を整えてきたつもりだ。チームの期待に応えるべく全力を尽くすつもりだし、再びF1でのキャリアが始まるのが待ちきれない想いだよ」

スクーデリア・トロロッソを率いるフランツ・トスト代表は、クビアトの実力は折り紙付きであり、再びF1でのチャンスを得るに相応しいと述べ、かつての仕事仲間の復帰を歓迎する声明を発表した。

「F1デビューを果たして以降のピエール・ガスリーのパフォーマンスは実に印象的だった。だからこそ彼は来年アストンマーチン・レッドブル・レーシングへの移籍を勝ち取ったのだ。若手育成と担うトロロッソとしては満足だし、彼はそれに相応しい活躍を見せている。ヘルムート・マルコが監督するレッドブル・ジュニア・プログラムのドライバーが成果を上げたのだ。我々としてはミッション・コンプリートさ」

「ダニールは高いドライビングスキルを持つ天性の速さを持ったドライバーだ。私は彼が再びF1でのチャンスを得るに相応しいと考えている。過去何度か困難な状況があったことは確かだが、それによって彼は一人の人間として成長する機会を得る事になった。その事が彼のトラック上での類まれな才能を開花させる手助けになったものと信じている」

「我々は彼に良いマシンパッケージを与えるために全力を尽くすつもりだ。それに、彼にはまだ隠されたポテンシャルがあり、我々はそれを引き出せると感じている。シーズンを成功させるために、再び彼と共に仕事に取り組める事を楽しみにしている」

クビアトの電撃復帰によってシートを一つが埋まった2019年のトロロッソ・ホンダだが、ブレンドン・ハートレーの契約は今季限りとなっており、現時点もう一つ空きがある状態だ。

レッドブル育成傘下には決定打となるような候補者がおらず、度々名前が上がるダン・ティクタムはF1参戦に必要なスーパーライセンスが条件を満たしていない。そのため、レッドブルはグループ外を含めて幅広い候補者を評価している。

F1ロシアGP特集