トラックリミット
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トラック・リミット

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トラック・リミット(英:Track Limit)とはコース外走行を制限するルールの事を指す。違反した場合、原則として当該ラップタイムは抹消される。

そもそもコース域外走行についてはFIAインターナショナル・スポーティング・コードで禁止されているが、F1においては各週末の決まり事を定めるレースディレクターズ・ノートと呼ばれるドキュメントによって懲罰を含めた具体的なルールが設定される。

コース外を走行した方がラップタイムが向上してしまうという問題に対処するため、F1では2016年のハンガリーGPより、電子センサーを用いてコース外へのはみ出しを検知し、違反した場合にタイム抹消を含めたペナルティーが科せられる事になった。

違反した場合のペナルティー

FIAレースディレクターが各グランプリを前に、トラックリミットの対象コーナーを設定する。違反した場合は当該ラップのタイムが抹消される。翌周のラップタイムに影響を及ぼすようなコーナーについては、翌周のラップも合わせて抹消される。

例えば走路を表す白線を4輪が越えた場合、あるいは縁石を越えた場合など、コースをはみ出たか否かの判定はコーナー毎に異なる。

違反が確認されるとレースコントロールはその都度、公式メッセージシステムを介してチームにこれを通知する。

決勝に関しては当初、計4回の違反でドライブ・スルー・ペナルティーが科される事になっていたが、現在は3回のトラックリミットを犯した場合に黒白旗が提示され、さらに違反を重ねるとレースディレクターからスチュワードに報告が飛ぶ事になる。

ただしいずれの場合も、他車に無理やりコース外に追いやられたと見なされる場合はトラックリミットの対象外となる。

何故コース外を走った方が有利なの?

アウト・イン・アウト

コーナーでタイムを稼ぐための基本はアウト・イン・アウトの走行ラインを取ることにある。詳しくは「アウト・イン・アウトとは?」を参照されたいが、コーナー進入時はなるべく外側を、コーナリング中は内側を、そしてコーナーから脱出する際には外側を走った方が原則としてラップタイムは向上する。

そのため、ドライバーは可能な限りコース幅一杯を使ってコーナーを走り抜けようとするのだが、中にはコースを大きく逸脱した走行ラインを取るドライバーが出てきてしまう。

こうなってしまうとコースそのものの意義が消え失せてしまうし、「スポーツにおける公平性」という観点において弊害が出てしまう。そこで「コースを逸脱したドライバーにはペナルティーを」ということでスタートしたのがトラック・リミットなのである。

トラックリミットは本来不要?

元々は電子センサーではなく、オフィシャルの主観的ジャッジによってトラック・リミットか否かが審判されていたが、一貫性を欠くという欠点を解消するために電子センサーが導入された。

そもそもコース外を走行した方がタイムが向上してしまう様なサーキットの作り自体に問題があるとも言えるためドライバーからの批判も多い。理想的には縁石グラベルなどによって、コース外を走行した場合にタイムが著しく悪化してしまうサーキット作りが基本となるべきだが、アマチュアを含めて様々なドライバー、ライダーが走る可能性があるだけに、F1を含むプロドライバーのためだけにそうした措置を取ることは現実的ではない。

なお電子センサー導入の際、セバスチャン・ベッテルやダニール・クビアト、ジョリオン・パーマーは批判的な発言をしていたが、ジェンソン・バトンやフェルナンド・アロンソは肯定的な見解を示していた。