ホワイトアロー仕様のW10のフロントウイングの翼端板Courtesy Of Mercedes

翼端板(エンドプレート)

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翼端板(よくたんばん)とはフロントウイングの両端に設置された垂直方向に伸びる板状のエアロパーツの事。エンドプレートとも言う。その主たる役割は以下の2つだ。

  • 前輪へと向かう気流を外側に誘導
  • フロントウイングに発生する乱流を抑制

走行中に空気がぶつかる事によって、F1マシンの至る場所には乱流が発生する。エアロパーツが意図した通りに機能しなくなるため、空力の専門家であるエアロダイナミスト達はこの乱れた空気を最も嫌う。

マシンの様々な部位の中で最も多くの乱流が発生するのがフロントタイヤだ。剥き出しの前輪が生み出すダーティーエアー(乱れた気流)は、それより後部に位置するバージボードやフロア、ディフューザーの効果に悪影響を与える。

そんなフロントタイヤの乱流を抑制するために設置されるのが翼端板だ。フロントタイヤに空気が当たらないよう、その外側へと導く。この考え方、空気の流れはアウトウォッシュと呼ばれる。

レッドブル・ホンダRB15とメルセデスW10のフロントウイングの比較copyright Formula1 Data

レッドブル・ホンダRB15とメルセデスW10のフロントウイングの比較

また翼端板が無いと、フロントウイング上面を通過する高圧の空気と、ウイング側方を流れる低圧の空気とが干渉しあって制御不能な渦が発生してしまう。これはドラッグ=空気抵抗の増加に繋がり、最高速が制限されてしまう。

その設置ポイントから、他車との接触によってよく壊れてしまうパーツでもある。大抵の場合、翼端板の破損によるタイムロスより、フロントウイング交換のためのピットストップによるタイムロスの方が大きいため、壊れたまま走行することが多い。

F1技術解説:初心者向け空力学