ホンダPUが要因?レッドブルF1、ペレス退団報道の影で周冠宇との交渉進行か
セルジオ・ペレスが2024年末をもってレッドブル・レーシングを退団するとの噂がさらに過熱する中、今季末限りでザウバーのシートを失う周冠宇がテストドライバーとしてレッドブルの加入を目指し交渉中であると報じられた。
ペレスの早期離脱は既定路線とみられており、後任候補として角田裕毅とリアム・ローソンの名前が挙げられている。角田裕毅はパフォーマンス面で優位との評価が目立つものの、複数の有力メディアは後者の昇格が濃厚と伝えており、見通しは明るくない。
米ESPNは、「複数の情報筋によれば、レッドブルは今週末のアブダビGPを最後にセルジオ・ペレスに見切りをつける決定を下した模様だ」と報じ、ローソンが「後任最有力候補」との見方を伝えた。
ローソンまたは角田裕毅がペレスに代わってレッドブルに昇格した場合、注目されるのはRBのシートだ。レッドブルは2025年に向けて、岩佐歩夢を含む数多くの有能なジュニアドライバーの中から、20歳のフランス人ドライバー、今季のFIA-F2選手権でタイトル争いを繰り広げるアイザック・ハジャーを抜擢すると広く予想されている。
同じく2025年には、今季のFIA-F3選手権で総合4位を獲得したアーヴィッド・リンブラッドがF2にステップアップする。17歳のイギリス人ドライバーについてレッドブルは、F2への参戦と並行して、2023年型のレッドブルを用いたF1テストを検討しているとされる。
問題はその資金の確保だ。
独Auto Motor und Sportによると、ホンダ製パワーユニットの使用に高額なコストがかかるため、レッドブルはこれまで旧車テスト、いわゆるTPC(Testing of Previous Car)を敬遠してきた。しかし、メルセデスを含むライバルチームは若手の育成においてTPCを重視しており、レッドブルもその必要性を認識しているという。
そこでレッドブルは資金面の解決策として、周冠宇が持つチャイナマネーに注目し、交渉を重ねているという。
周冠宇には、TPCを通じてコンディションを維持し、2026年のF1シート獲得に向けた準備を進める狙いがあると見られる。
仮にペレスが2025年もレッドブルに留まったとしても、チーム内ではドライバーラインナップの安定性に対する懸念が依然として残る。このため、レッドブルは若手ドライバー育成プログラムをさらに加速させる意向を持っているようだ。