ペレス後任論争「RBでの務めは終わった」角田裕毅とローソン、見解一致の英国F1放送陣
セルジオ・ペレスが2024年シーズン限りでレッドブル・レーシングを早期退団する可能性が高まる中、英国の放送事業者「Sky Sports F1」の専門家たちは、その後任としてリアム・ローソンではなく、角田裕毅の名前を揃って挙げた。
前戦カタールGPでレッドブルのコンストラクターズ選手権3連覇の夢が絶たれたことを受け、複数の主要メディアがペレスの退団を既定路線とみなし、最終アブダビGP後にチームを離れるとの見方を伝えた。
Sky Sportsの放送ではカタールGPの週末、マックス・フェルスタッペンの隣のシートを託すべきペレスの後任ドライバーについて議論が交わされた。
RBでの務めは終わった
レーシングドライバーでSky Sportsのプレゼンテーターを務めるナオミ・シフは、「将来のレッドブルドライバーを育てる場」としてのRBで角田裕毅はすでに十分な経験を積んだと評価し、「そのシートに本当に相応しいのはユーキだと強く思います」と語った。
さらにシフは、ローソンについて「経験が乏しい中で素晴らしい仕事をしていると思います」と評価しつつも、フェルスタッペンを相手に「惨めな状況」に追い込まれる恐れがあるとして、現時点での昇格は時期尚早との考えを示し、まずは数シーズンをRBで過ごして経験を積むべきとした。
「ユーキはRBでの務めを終えたと思いますし、マックスに挑む覚悟もできているでしょう」とシフは付け加えた。
JB:角田はプラグ・アンド・プレイ
Sky Sportsで解説者を務める2009年のF1ワールドチャンピオン、ジェンソン・バトンも角田裕毅一択だと考えている。
角田裕毅に昇格の権利はあると思うか?と尋ねられるとバトンは、「個人的には、そう(角田にチャンスを与えるべき)思う」と述べ、「ユーキさんには本当に感銘を受けた」と高く評価した。
「チームは次々と新しいチームメイトを送り込んでいるが、彼はそれを蹴散らし続けてきた。そうだろ!? 彼は素晴らしい仕事をしている」
「それに、今年の彼は昨年とは大違いだ。以前より遥かに落ち着き、自信を持ち、前ほどキレやすくもないし、結果も残して続けている」
「彼はレッドブルのシートにプラグ・アンド・プレイ(ピッタリ)だと思う」
一方で、レッドブルのクリスチャン・ホーナー代表が「F1で最も難しい仕事」と形容したように、バトンもまた、4度のF1ワールドチャンピオンに輝いたフェルスタッペンのチームメイトという立場の難しさを指摘した。
バトンは「もし僕なら、レッドブルでマックス・フェルスタッペンの隣のシートに座りたいとは思うかどうかは分からない!何しろ、このピットレーンの中で最もタフな仕事だからね」と笑ったが、同時に「でも、彼(角田)が乗り気なら、それは素晴らしいことだ」と期待を寄せた。
ローソンへの評価と課題
ダニエル・リカルドの後任としてシーズン途中でRBに合流したローソンについてバトンは、シフ同様、シニアチームへの昇格は性急に過ぎると考えている。
「まだ改善の必要があると思う。安定してパフォーマンスを発揮できるようにならないと」とバトンは指摘した。
「残されたレースはあと2戦しかない(発言はカタールGPのレース前)わけで、彼としては良い結果を残せることを証明しなければならないと思う」
ローソンは、チームに合流したアメリカGP以降の4戦で4ポイントを獲得した。一方で角田裕毅は、同期間でその倍となる8ポイントをチームにもたらしている。また、ローソンはグランプリ予選でチームメイトに全敗しており、リザルトの面においては角田裕毅が総合的に優勢だ。