スクーデリア・フェラーリのシャルル・ルクレール、2021年8月1日F1ハンガリーGP決勝レースにて
Courtesy Of Ferrari S.p.A.

ルクレール、お前もか…フェラーリ、次戦ベルギーGPでエンジン交換へ…ストロールの激突で修復不能なダメージ

  • Published:

スクーデリア・フェラーリはF1第11戦ハンガリーGPを終えて、シャルル・ルクレールのICE(内燃エンジン)に「修復不可能な損傷」が確認されたと発表した。

ハンガロリンクでの1周目、ターン1へのブレーキングでミスを喫したランス・ストロール(アストンマーチン)がルクレールの右脇腹に衝突。16号車フェラーリSF21は大きなダメージを負い、ルクレールはリタイヤを強いられた。

4基目投入の降格避けられず

フェラーリは衝撃を受けたエンジンをマラネロへと持ち帰って検査を行った。その結果、再使用が不可能なレベルのダメージが確認されたという。サマーブレイク明けのベルギーGPで3基目が投入される見通しだ。

非のない事故によりエンジンを失ったことで、ルクレールが残り12戦のシーズンをグリッド降格ペナルティなしに乗り切る事は極めて困難となった。フェラーリは4基目投入の可能性について「非常に高い」と認めた。

無実のリタイヤを余儀なくされたルクレールは、この事故を「ボウリング・ゲーム」と称し「小さなミスが大きな結果に繋がる事があるのは確かだが、今回の一件は小さなミスじゃなかあった」と不満をあらわにした。

「ランスはミラーで確認できないほど後方、5、6ポジションも後ろにいたわけで、彼があそこで何かをしようとするのは本当に非現実的なことだった」

予算上限の見直し迫るレッドブルとフェラーリ

同じハンガロリンクでの1周目には、バルテリ・ボッタス(メルセデス)のミスによってレッドブル・ホンダ勢とランド・ノリス(マクラーレン)が被害を被った。ペレスもまたこの事故によって次戦でのエンジン交換が懸念されている。

レッドブル・ホンダのクリスチャン・ホーナー代表は、他者の責任による事故で損害が発生した場合、当該費用を予算上限から除外できるようにすべきだとして国際自動車連盟(FIA)に対し働きかけていく意向を示しているが、跳馬の指揮官は更に一歩、踏み込んだ考えを持っている。

スクーデリア・フェラーリのマッティア・ビノット代表、2021年F1ハンガリーGPにてCourtesy Of Ferrari S.p.A.

スクーデリア・フェラーリのマッティア・ビノット代表、2021年F1ハンガリーGPにて

マッティア・ビノットはホーナー同様にルール変更の可能性について議論を呼びかける意向である事を明らかにした上で、クラッシュなどの事故によって損害が発生し、それが他チームの責任である場合は、当該チームが損失分を賠償すべきとの考えを示した。

なおフェラーリは同じ週末、金曜のフリー走行を経てデータ上に異常が確認された事からカーフュー(深夜作業禁止令)を破ってカルロス・サインツに今季3基目となるICE(内燃エンジン)、ターボチャージャー、MGU-H、そして5基目となるエキゾーストを投入している。

降ろされたPUは分析のためにマラネロに輸送されたが、現時点では再使用が可能かどうか等、詳細は明らかにされていない。

F1ハンガリーGP特集