WEC上海6時間決勝:赤旗満載…トヨタ7号車が2連勝、表彰台にはアロンソとバトンの旧マクラーレン・ホンダの二人
WEC世界耐久選手権 第5戦上海6時間レースの決勝が18日(日)に上海インターナショナル・サーキットで行われ、TOYOTA GAZOO RacingのTS050 HYBRID 7号車がポール・トゥ・ウインを飾り2連勝。8号車が2位に続き、前戦富士に続いてトヨタが2戦連続での1-2フィニッシュを果たした。
今回の優勝によって7号車の小林可夢偉/マイク・コンウェイ/ホセ・マリア・ロペスは、ドライバーズタイトルをリードする8号車との差を5ポイントに縮小。トヨタ・ガズー・レーシングはチームランキングでライバルチームとの差を28ポイントに拡大した。
「チームが素晴らしい仕事をしてくれましたし、マイクとホセもよくやりました。再び勝てて本当に嬉しいです」と可夢偉。喜びを爆発させた。「僕のスティントはとてもハードでした。セーフティカーの導入で多くの他カテゴリーの車両が僕の前に入ってしまい、強い雨の中で視界も最悪でした」
「とにかくリスクを最小限にするよう集中し、再度セーフティカーが導入されることを見越して、着実に他カテゴリーの車両をパスしていきました。実際その直後にセーフティカーが導入された時にはトップに立っており、その後は後続とのギャップを維持することに専念できました」
惜しくも優勝を逃した8号車のアロンソは「悪天候にヘビーウェット、それにセーフティカーに翻弄されたレースだった。天候が悪いレースってのは視界は悪いし、毎回本当に厳しい争いになる。8号車は好調で速さがあったし、僕らはベストを尽くした。優勝を狙えただけに残念だけど、次回また挑戦するよ」と語った。
3位表彰台にはSMPレーシング11号車のヴィタリー・ペトロフ/ミカエル・アレシン/ジェンソン・バトン組。マクラーレン・ホンダ時代のチームメイトが揃って上海のポディウムに上がる事となった。アロンソとバトンが二人揃って表彰台に上がったのは2015年のブラジルGP以来。当時はスタッフの目を盗み”ふざけて”表彰台に上がっただけであったが、今回はリザルトに基づいて正々堂々と登壇した。
朝から降り続いた雨の影響で、レースは現地時間11時にセーフティカー先導でスタートしたものの、悪天候のためすぐに赤旗中断。1時間10分が経過したところでグリーンフラッグが振られ再開すると、首位を走っていた7号車ロペスが僅かにコースオフした隙を突き、8号車ブエミが首位に浮上。だが、コンディションは再び悪化し2度目の赤旗となった。
2時間後に再度セーフティカー先導でレースが再開すると、2台のTS050 HYBRIDはピットイン。7号車は可夢偉、8号車はアロンソへとドライバーチェンジを行った。ピット戦略の違いで8号車は一旦順位を落とすも、アロンソは周回遅れのGTカーをかいくぐりつつレベリオン1号車を猛追し首位を奪取。ピット作業でのタイムロスによって4位に後退していた7号車の可夢偉も、ジェンソン・バトンが駆るSMP11号車とのバトルを制し2位へと浮上した。
残り2時間のところで、ストレート上でのアクシデントによりまたもセーフティカー。残り70分のところでトヨタは2台をピットインさせ、7号車はコンウェイ、8号車は中嶋へと最後のドライバーチェンジ。中嶋はプッシュを続け首位7号車との差を縮めていくと共に、ファステストラップを記録した。
だが終盤30分のところで天候が三度悪化。クラッシュによってまたもセーフティカーがコースに入り、残り7分弱で再開。結局コンウェイの駆る7号車が1.419秒差で逃げ切り今季2勝目。8号車が2位でチェッカーを受け、トヨタは今季4度目の1-2フィニッシュを果たした。
2018年のWECシリーズ戦は上海を以て終了。冬のインターバルを経て、次戦は3月15日(金)に米国フロリダ州セブリングで1000マイル(約1600km)レースが行われる。
WEC上海6時間 LMP1決勝結果
順位 | ドライバー | チーム | 周回 | トップとの差 |
1 | #7 TOYOTA GAZOO Racing/ トヨタ TS050 HYBRID |
小林可夢偉 マイク・コンウェイ ホセ・マリア・ロペス |
113 | |
2 | #8 TOYOTA GAZOO Racing/ トヨタ TS050 HYBRID |
中嶋一貴 セバスチャン・ブエミ フェルナンド・アロンソ |
113 | 1.419 |
3 | #11 SMPレーシング/ BRエンジニアリングBR1・AER |
ヴィタリー・ペトロフ ミカエル・アレシン ジェンソン・バトン |
112 | 1 Lap |
4 | #1 レベリオン・レーシング/ レベリオンR13・ギブソン |
アンドレ・ロッテラー ニール・ジャニ ブルーノ・セナ |
112 | 1 Lap |
5 | #3 レベリオン・レーシング/ レベリオンR13・ギブソン |
トーマス・ローレン マティアス・ベシェ グスタボ・メネゼス |
110 | 3 Laps |
6 | #10 ドラゴンスピード/ BRエンジニアリングBR1・ギブソン |
ベン・ハンリー ジェームス・アレン レンジャー・ヴァン・デル・ザンデ |
110 | 3 Laps |