2018/19WECスーパーシーズンに参戦するマシン
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WECトヨタ 満を持して開幕スパ6時間へ、アロンソ「一貴とセバスチャンとのテスト経験に満足、身が引き締まる思い」

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フェルナンド・アロンソに続いてジェンソン・バトンがWEC世界耐久選手権へのフル参戦を発表するなど、例年以上に注目度の高いWEC 2018-19スーパーシーズン開幕戦スパがいよいよ今週末の5月5日(土)に開催される。

今季からTOYOTA GAZOO Racingに加入したアロンソにとっては、このレースがWECのデビュー戦。F1で2度の世界制覇を成し遂げたスペイン人レーサーは、セバスチャン・ブエミと中嶋一貴と共にTS050 HYBRID 8号車のステアリングを握る。7号車を駆るのはマイク・コンウェイ、小林可夢偉、ホセ・マリア・ロペスの3名。

トリプルクラウン=世界三大レース全制覇の夢に挑むアロンソは、ターゲットのルマン優勝に向けて、マクラーレンから参戦するF1と並行しながら段階的に準備を進めてきた。スパ3勝目の目標を掲げるトヨタとしても、冬季テストを通じて通算25,000km以上を走破している。スパは6月のル・マン24時間レースの唯一の前哨戦であるだけに貴重な実戦の機会となる。

「長い冬の間のオフシーズンテスト中、チームは本当に努力を重ねてきた。このチームとFIA世界耐久選手権の開幕戦に臨めるのは素晴らしい気分さ。ル・マンまでは後1ヶ月半後、身が引き締まる思いだよ」とアロンソ。

「僕にとっては初めてのWECでのレースになるけど、すごく楽しみながら準備できているし、セバスチャンや一貴をはじめ、仲間のドライバー達と一緒にこなしてきたテストは素晴らしい経験だった。強力なチームスピリットを感じてる。チーム全員がひとつの目標に向かって努力を続けており、この一体感を実際のレースウィークに体験できるのが本当に楽しみだ」

2017年WEC第8戦上海に挑むトヨタ

長年に渡ってトヨタWECを牽引してきた一人である中嶋一貴にとっては、自身7シーズン目のWEC。一貴は、かつてF1で凌ぎを削ったアロンソとの共闘を楽しみにしているようだ。

「記憶に残るシーズンになれば良いですね」と一貴。「スパには様々な思い出がありますが、セバスチャンやアンソニーと共に勝利を挙げた昨年のレースが一番です。今年は昨年とは違う低ダウンフォースの空力仕様で臨むので、その違いがどうなるのか楽しみです。我々が速いことを信じていますし、ル・マンへ向けて重要なステップになるはずです」

「冬の間にフェルナンドとは共に多くのテストをこなしてきましたが、彼と一緒に実際のレースに臨むのはこれが初めてです。我々にとっても、ファンの皆様にとっても、本当に楽しみなレースになるでしょう」

昨年のル・マン24時間レースではサルト・サーキットのコースレコードを樹立しながらも、不遇なアクシデントによって勝利を逃した小林可夢偉。ルマンを含めた全てのレースでの勝利が目標だと述べ、チャンピオンシップ制覇に闘志を燃やす。

「スパはとても素晴らしいサーキットです。たくさんのレースファンの皆様や関係者の方々に応援を頂く中で走るのはいつも楽しみです。今回はシーズンの開幕戦ということで、ライバル勢とのパフォーマンスの状況を直接確認できる最初の機会になります。ル・マンへの準備の一部としても重要な一戦です。我々の目標は常に勝利であり、チームは我々が最高の状況で戦えるよう、冬季オフシーズンから懸命な努力を続けてくれており、それに応えたいと思っています」

スパ6時間が行われるベルギーのスパ・フランコルシャン・サーキット
© TOYOTA、ベルギーのスパ・フランコルシャン・サーキット

LMP1クラスのライバル勢が次々と撤退したために規約が変更、トヨタにとっては新たな挑戦の年となる。今シーズンのライバルは8台のプライベーターのノン・ハイブリッド車両。ハイブリッドのトヨタに対して、ノン・ハイブリッド勢には1周あたり49%多い燃料量と、37.5%多い瞬間燃料流量、そして45kg軽い最低重量が許可されている。

新たなシーズンの第1戦は、5月3日(木)の午後に2回設定されている90分間の練習走行で幕を開ける。4日(金)は最終練習走行に続いて予選が行われ、5日(土)13時半、日本時間20時半に決勝レースがスタートする。

注目の開幕スパ6時間はJ SPORTSが生配信する予定となっており、同チャンネルではルマンを含むWEC世界耐久選手権シリーズ7戦すべての予選・決勝が生中継される。J SPORTSはスカパーひかりTVで視聴できる。