フェルスタッペン、ピケ発言は「本当に不快」一方でF1パドック追放は問題解決に繋がらないと指摘
マックス・フェルスタッペン(レッドブル)は、ルイス・ハミルトンに対する「本当に不快」な発言を非難する一方、ネルソン・ピケは決して人種差別主義者ではないと主張し、F1パドックからの追放は問題解決には繋がらないと訴えた。
フェルスタッペンのパートナー、ケリーの父ピケは、昨年行われたポルトガル語でのインタビューの中で人種差別用語を使ってハミルトンを指し示した。一件はF1第10戦イギリスGPを前に表面化し、F1コミュニティから非難が集中する事態となった。
ピケは「思慮が足らなかった」としてハミルトンに謝罪したものの、差別的な意図に関しては否定し、誤解があったと主張した。
ピケの発言は「本当に不快」の一方で
シルバーストン・サーキットでのグランプリ開幕を翌日に控えフェルスタッペンは、異なる文化的背景がある事を考慮してなお、ピケの発言は「本当に不快」で「正しくない」として、今回の件を教訓に今後は口にしないようにすべきだと語った。
ピケは問題視された言葉について「『ヤツ』や『人』と同じ意味を持つ口語として歴史的に広く使われてきた」と釈明したが、フェルスタッペンは「それでもやっぱり使わない方が良いと思う」と語った。
その一方で「ネルソンとは何度か一緒に過ごしたことがあるけど、彼は決して差別主義者ではないし、実際のところは本当に親切で気取らない人なんだ」と語り、ピケを擁護した。
また「この言葉は2つの意味に解釈することができる。当然、人々は悪い方を取り上げる。そうなれば尾ひれがつく事になる。それは大げさだと思う」とも述べた。
フェルスタッペンはこのスキャンダルについて、当事者であるハミルトンやピケとは話をしていないと明かした上で「彼に電話して『おいおい、それは不適切だぜ』なんて言うつもりはないよ。彼自身の事は彼が分かっているわけだからね」と述べ、「義理の父と話をするのは僕の責務ではない」と強調した。
「何が正しくて何が正しくないかなんて、僕に言われる筋合いはないでしょ」
「既に彼は自分が誤った言葉を使ったって言ってるんだから。僕に誰に電話しろって言うんだい? そんなを事しても何も変わらないと思う」
F1パドック追放は不適切
ピケの発言はF1コミュニティから非難を集中砲火を浴び、F1はブラジル出身の3度のワールドチャンピオンをパドックから追放する決定を下したものとみられている。
だがフェルスタッペンは、F1のアプローチは問題解決に繋がらない不適切な方法だと考えている。
追放が確定したわけではないとした上でフェルスタッペンは「追放するよりも対場の場を開く方が良い」と主張した。
「単に出入りを禁止する事は何の助けにもならない。コミュニケーションが必要なんだ。これは本当に重要な事だと思う」
「学ばせたいのであれば話し合った方いい」
「誰かと喧嘩をした時、あるいは誰かを侮辱してしてしまった時は、話をして謝った方が良いのと全く同じだと思う。怒っている方にとってはたまったものじゃないだろうけど、物事は簡単に忘れられてしまうものなんだ」
「犯した間違いや誤った言葉遣いから学ぶ限り、パドックから追放すべきじゃないと思う。3度の世界チャンピオンなら尚更にね」