おどけた顔をしながらピットレーンを歩くレッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペン、2019年F1メキシコGP予選後
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フェルスタッペン、F1メキシコGPのポール剥奪の危機…黄旗無視の疑いで審議

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F1メキシコGPのレーススチュワードは公式予選を終えて、レッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペンを招集。黄旗が振られていた際のフェルスタッペンのドライビングを審議する事を明らかにした。

続報:フェルスタッペンのポールが消滅

Q3の最終盤に発生したバルテリ・ボッタスのクラッシュに伴い、コース上に黄旗が振られたため、後続のフェラーリ、セバスチャン・ベッテルはアクセルを戻してバックオフ。タイム計測を断念した。だが、更にその後ろを走行していたフェルスタッペンは自己ベストを更新。1分14秒758のファステストでフィニッシュラインを駆け抜けた。

ミニセクター別に見ると、フェルスタッペンは最終セクターの最後のセクションで自己ベストを上回っておらず、意図的に減速したようにも見て取れるが、当人は予選後の記者会見の中で、事故が発生している事を認識しながらも「アクセルを緩めたりはしていない」と語った。

「僕らは誰だって、自分が何をやっているのかは分かってる。そうでもなきゃ、F1マシンを運転しちゃいないさ」とフェルスタッペン。「これは予選なんだ。(ドライバー足る者)獲りに行くでしょ」

FIA側は当初「審議の予定はない」としていたが、この発言を受けてか、現地16時10分(日本時間27日午前6時10分)にフェルスタッペン及びチーム代表者に招集命令をかけた。理由はFIA国際スポーティングレギュレーション違反。黄旗が振られていたターン17で十分に減速しなかった可能性があるとして、同規約の付則H第2条5項5.1bへの違反が疑われている。

ダブルイエロー(黄旗2本を振る)の場合は”即座に停止可能な速度まで減速”、シングルイエロー(黄旗1本を振る)の場合は減速する事を定めている。

状況から察するに、フェルスタッペンは意図的に黄旗を無視したわけではなさそうだ。事故の発生を受けて、最終コーナーのポストではシングルイエローフラッグが振られていたが、レッドブルのモータースポーツ・アドバイザーを努めるヘルムート・マルコが主張するには、フェルスタッペンのマシンのステアリング上のディスプレイには、イエロー警告は出ていなかったという。

近年の黄旗無視の判例では、違反が認められた場合、3グリッド降格あるいは5グリッド降格が科されており、フェルスタッペンのキャリア2度目のポールポジションが幻と消える可能性は拭えない。

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