開始直後の交錯で5秒と懲罰点…フェルスタッペンとルクレールの見解、ペナルティの”穴”
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広く予想されていた通り、F1ラスベガスGPのオープニングラップは混乱と共に幕を開けた。2番グリッドのマックス・フェルスタッペン(レッドブル)はターン1でイン側に飛び込んだものの止まりきれず、ポールシッターのシャルル・ルクレール(フェラーリ)をコース外に追いやる格好となった。
一件についてデレク・ワーウィックら4名のスチュワードは、フェルスタッペンがターン1のエイペックスを逃してレーシングラインを外れた事で「結果的に16号車をコースアウトさせた」と結論づけ、5秒ペナルティに加えて2点のペナルティポイントを科した。過去12ヶ月間の累積点は2点に達した。
レースエンジニアを務めるジャンピエロ・ランビアーゼから無線でペナルティの知らせを受けたフェルスタッペンは「ああ、それで構わない。彼ら(スチュワード)によろしく伝えてよ!」と嫌味を口にした。
逆転のトップチェッカーを受け、セバスチャン・ベッテルと並ぶ歴代3位の通算53勝目を飾った後にフェルスタッペンは、1周目のインシデントについて自らに責任があったと認めた。
「スタートは良かった。ポジションを守るためにかなり遅めにブレーキをかけたんだけど、汚れたイン側にいたために少しラインを外れてしまったんだと思う」とフェルスタッペンは語る。
「ここは少しでもラインを外れるとグリップがなくなってしまうんだ。それでああいった事が起きたんだと思う。ブレーキをかけたら全くグリップがなくて、シャルルを追いやるつもりはなかったんだけど、減速できずに4輪が滑って膨らんでしまった」
「ほら、あの時はアドレナリンも出ていたし、ペナルティには満足していなかったけど、振り返ってみると適切な判断だったのかもしれない。5秒を受けた事で先頭に戻るのが少し難しくなったのは確かだ」
一方のルクレールは、フェルスタッペンにペナルティが科されるのは当然だとしつつも、それよりも適切な方法があると主張した。
「マックスは既に僕のところに来て状況を説明してくれた。あれは明らかに限界ギリギリ、むしろ限界を超えてたと思う。5秒のペナルティは当然だね。あれはタイトだった」
「路面にトラクションをかけようと思ったけど、グリップが低すぎてポジションを守るのは難しかった。でも、そういうもんだよね」
「彼はペナルティを受けた。適切だと思う。そんな感じかな」
「ただ、ああいう状況の場合はFIAが(レッドブルに)順位を戻すよう求めた方がいいと思うけどね。だって(トップに留まると)クリーンエアーを得てタイヤを守れるから、かなりのアドバンテージになる」
これは所謂、”5秒ペナルティの穴”とでも言うべきルール上の課題だ。5秒ペナルティは時に、即座に順位を戻すよりも遥かにコストがかからない。逆に言うとポジションを戻すことは5秒以上のロスに繋がる事がある。
前走車がいる状況で走行を続けると、クルマのダウンフォースが失われてタイヤの摩耗、デグラデーションが悪化するばかりでなく、クルマの冷却が問題になる可能性が出てくる。
11月18日(土)にラスベガス市街地コースで行われた2023年F1第22戦ラスベガスGP決勝レースでは、2番グリッドからスタートしたマックス・フェルスタッペン(レッドブル)が通算53勝目を飾った。
ヤス・マリーナ・サーキットを舞台とするシーズン最終アブダビGPは11月24日のフリー走行1で幕を開ける。