F1王者に敬意はないのか?フェルスタッペンへの野次にホーナー遺憾表明、一方でブラウンは…

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レッドブル・レーシングのクリスチャン・ホーナー代表は、ロンドンで開催されたF1のシーズン開幕イベント「F1 75」において、マックス・フェルスタッペンに向けられたブーイングに不満を示した。特に、4度のF1王者に輝いたフェルスタッペンがそのような対応を受けたことに落胆していると語った。

このイベントは2月21日にO2アリーナで行われ、10チームが一堂に会する形で実施された。しかし、フェルスタッペンとホーナーが登場した際、約16,000人の観客の一部からブーイングが起こった。

F1の統括団体である国際自動車連盟(FIA)はこれを受け、「敵対的な反応」と表現し、すべてのF1ファンに「敬意ある対応」を求める声明を発表した。

RB21のリバリー発表イベントで観客に手を振るマックス・フェルスタッペン(レッドブル・レーシング)とリアム・ローソン(レッドブル・レーシング)、2025年2月18日(火) F1 75 Live(O2アリーナ)Courtesy Of Red Bull Content Pool

RB21のリバリー発表イベントで観客に手を振るマックス・フェルスタッペン(レッドブル・レーシング)とリアム・ローソン(レッドブル・レーシング)、2025年2月18日(火) F1 75 Live(O2アリーナ)

バーレーンでのプレシーズンテスト初日、ホーナーはこの出来事について問われ、「アウェイのスタジアムで自らのチームの新しいユニフォームを披露するようなものだ」と語り、競争の激しいスポーツにおいて対立が生じるのは避けられないと認めた。

その一方で、「4度のワールドチャンピオンとしてのマックスへの評価があのような形になったことは残念だった」と述べ、フェルスタッペンに対する敬意を欠いた反応に遺憾の意を示した。また、もしフェルスタッペンの母国オランダで同様のイベントが開催されていれば、観客の反応は異なっていたはず、との考えを示した。

フェルスタッペンの父、ヨス・フェルスタッペンは、将来的に同様のイベントがイギリスで開催される際、息子が参加を見送る可能性があることを示唆している。

一方、昨年コンストラクターズチャンピオンを獲得したマクラーレンのチーム代表、ザク・ブラウンは、ファンの反応を容認する姿勢を示した。

「スポーツでは常に熱狂的な声援やブーイングがある。サッカーやアイスホッケー、野球でも同じことだ」とブラウンは語り、イベントでのブーイングは、ファンが誰を応援し、誰を応援していないかを示す「単なる意見表明」に過ぎないと主張した。

近年、F1はNetflixの人気ドキュメンタリーシリーズ『Drive to Survive』などの影響を受け、新たなファン層を獲得し、世界的な人気が急上昇している。ホーナーも「F1のファン層が以前とは変わってきている」とその変化を認めた。

しかし、オンラインやレース会場でのファン同士の対立が目立つようになってきたことも事実であり、FIAは「United Against Online Abuse」キャンペーンを展開。ドライバーやチームに対する誹謗中傷を防ぐ取り組みを進めている。

F1は今後も多様なファンを惹きつける施策を進めていくと考えられるが、伝統的なファンと新たなファンのバランスをどのように取り、どのようにマネジメントしていくかが、課題の一つとなりそうだ。