優勝したマックス・フェルスタッペン(レッドブル)2位フィニッシュのルイス・ハミルトン(メルセデス)、3位ランド・ノリス(マクラーレン)が立つ表彰台を取り囲むメディアとチーム関係者、2023年10月22日(日) F1アメリカGP決勝レース(サーキット・オブ・ジ・アメリカズ)
Courtesy Of Red Bull Content Pool

蛙の面に水、歴史的50勝のフェルスタッペンにF1米国GP観客からまたも大ブーイング

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V6ハイブリッド・ターボ導入から200レースの節目を迎えた2023年のF1アメリカGPでマックス・フェルスタッペン(レッドブル)は、通算勝利を50勝として歴史に新たな1ページを刻んだが、サーキット・オブ・ジ・アメリカズ(COTA)の一部観客はこれに大ブーイングを浴びせた。

表彰台セレモニーに姿を見せたフェルスタッペンは、グランドスタンドからのブーイングの大合唱に晒された。トロフィーが手渡されると再び大きな野次が飛んだ。そしてその間には「チェコ」コールが鳴り響いた。

優勝トロフィーを手に表彰台の上で喜ぶマックス・フェルスタッペン(レッドブル・レーシング)、2023年10月22日(日) F1アメリカGP(サーキット・オブ・ジ・アメリカズ)Courtesy Of Red Bull Content Pool

優勝トロフィーを手に表彰台の上で喜ぶマックス・フェルスタッペン(レッドブル・レーシング)、2023年10月22日(日) F1アメリカGP(サーキット・オブ・ジ・アメリカズ)

オースティンは地理的にメキシコに近く、伝統的にフェルスタッペンの僚友セルジオ・ペレスの熱狂的ファンが数多く押し寄せる。このメキシコ人ドライバーはここ数ヶ月、同じマシンを駆るフェルスタッペンに全く太刀打ち出来ておらず、時にレッドブル首脳陣から厳しい批判にさらされ、シート喪失の憶測が絶えない。

また、フェルスタッペンがこの日のレースで2位に退けたルイス・ハミルトン(メルセデス)も米国で非常に高い人気を誇っている。7度のF1王者は2021年12月のサウジアラビアGP以来となる勝利を目指したが、フェルスタッペンには2.225秒届かなかった。

ルイス・ハミルトン、ミハエル・シューマッハ、セバスチャン・ベッテル、そしてアラン・プロストに続く歴代勝利数とCOTAでの3連覇を達成した3度のF1ワールドチャンピオンは、今年5月のマイアミGPでも大ブーイングを受けた

セルジオ・ペレス(レッドブル)の応援バナーを持つファン、2023年10月21日(土) F1アメリカGP(サーキット・オブ・ジ・アメリカズ)Courtesy Of Red Bull Content Pool

セルジオ・ペレス(レッドブル)の応援バナーを持つファン、2023年10月21日(土) F1アメリカGP(サーキット・オブ・ジ・アメリカズ)

英「Sky Sports」によると、メキシコGPを1週間後に控えたこの日のブーイングについてレッドブルのクリスチャン・ホーナー代表は、日本語で言うところの「蛙の面に水」に相当するオランダのことわざを引用して次のように語った。

「マックスがメキシコで最高に温かい歓迎を受けるとは思わないが、あれはアヒルの背中に水をかけるようなものだ。シーズンによっては悪役になるが、次のシーズンにはヒーローになる」

またフェルスタッペンはスウェーデンの「Viaplay 」とのインタビューで、ブーイングに腹が立ったかと問われると「いや。結局のところ、トロフィーを家に持ち帰るのは僕だから、それでいいんだよ!」と気にした素振りを見せなかった。

エルマノス・ロドリゲス・サーキットを舞台とする次戦メキシコシティGPは10月27日のフリー走行1で幕を開ける。

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