サーキット・オブ・ジ・アメリカズ(COTA)のターン2に向かうルイス・ハミルトン(メルセデス)とシャルル・ルクレール(フェラーリ)、2023年10月21日F1アメリカGPスプリント
Courtesy Of Mercedes-Benz Grand Prix Ltd.

ハミルトンとルクレールがF1アメリカGP失格!プランク摩耗で…角田裕毅は8位昇格、サージェントは30年ぶり米国人入賞

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プランクの摩耗が技術規定の要件を満たしていなかったため、ルイス・ハミルトン(メルセデス)とシャルル・ルクレール(フェラーリ)が2023年F1アメリカGPで失格処分を受けた。これにより角田裕毅(アルファタウリ)は8位に昇格した。

ローガン・サージェント(ウィリアムズ)は10位に繰り上がり、キャリア初のポイントを獲得した。米国人ドライバーが入賞するのは1993年イタリアGPでのマイケル・アンドレッティ以来、30年ぶり。

1994年のF1ベルギーGPではプランクの摩耗違反により、トップチェッカーを受けたミハエル・シューマッハ(ベネトン)が失格処分を受け、代わってデイモン・ヒル(ウィリアムズ)が優勝した。

違法に摩耗した2台のプランク

ハミルトンが2位表彰台、ルクレールが6位フィニッシュを果たしたサーキット・オブ・ジ・アメリカズ(COTA)でのレース後、16号車フェラーリSF-23と44号車メルセデスW14が技術レギュレーションに違反している事が発覚した。

FIAテクニカル・デリゲートを務めるジョー・バウアーからの「-825≧XR≧-1025のエリアに位置するスキッドが、2023年F1技術規則第3条5項9 e) に適合していない」との報告を受け、デレク・ワーウィックを含む4名のスチュワードはメルセデスとフェラーリのチーム代表者を召喚。米国オースティン現地18時より聴聞会を開いた。

同規定は「プランクアッセンブリの厚みは、下面の法線方向に10mm±0.2mmかつ、新品の状態で均一でなければならない。摩耗を考慮して最低9mmを許容する。この規定への適合は、指定された穴の周辺部で確認される」と定めている。

プランクは厚さ10mmほどの長方形状の板材で、フロア最前部のいわゆる”キール”から後輪前方付近にかけてのフロア下に取り付けられており、車体が地面を擦る事で摩耗する。規約にある通り1mmまでの摩耗は問題ないが、これを超えると違反となる。プランクにはチタン製の滑材=スキッドを取り付ける事ができる。

路面と特殊形式が原因と反論も

スチュワードによるとチーム代表者側は「スキッドパッドの摩耗が激しかったのは、バンピーな路面とスプリントレースという特殊なスケジュールの組み合わせにより、レース前のセットアップやクルマのチェック時間が最小限に抑えられた結果だろう」と指摘した。

しかしながら、スチュワードは「イベント期間中、車両が規則に適合していることを常に保証する責任は競技者にある」と指摘し、バウアーの報告通り、両マシンの後部プランクは規定の要件を満たしていなかったとして、44号車と16号車を失格とする決定を下した。

これによりランド・ノリス(マクラーレン)が2位に繰り上がり、カルロス・サインツ(フェラーリ)が3位表彰台に滑り込んだ。セルジオ・ペレス(レッドブル)は4位に昇格。ドライバー選手権での2位争いでハミルトンとのリードを広げた。

ジョージ・ラッセル(メルセデス)は7位から5位、ピエール・ガスリー(アルピーヌ)は6位、ランス・ストロール(アストンマーチン)は7位に昇格した。

サージェントの初入賞と合わせてアレックス・アルボンが9位に繰り上がり、ウィリアムズはダブルポイントを獲得した。

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