ドライバーズパレードに参加するアルファタウリの角田裕毅とダニエル・リカルド、2023年10月22日(日) F1アメリカGP(サーキット・オブ・ジ・アメリカズ)
Courtesy Of Red Bull Content Pool

角田裕毅、”心臓”止まった最速狙いのピット指示「トラブルかと!」米国3年連続入賞でアルファタウリに貴重な2点を追加

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F1第19戦アメリカGP決勝を10位でフィニッシュし、キャリア初となるファステストラップを記録した果たした角田裕毅(アルファタウリ)は、ラスト2周でのピットイン指示を受け、トラブルかと思い「心臓が止まった」と明かした。

11番グリッドに着いた角田裕毅は開始早々、周冠宇(アルファロメオ)にポジションを奪われるも、すぐにこれを取り返し、サイドポッドにダメージを負ったエステバン・オコン(アルピーヌ)を交わして4周目にポイント圏内10番手に浮上した。

ピエール・ガスリー(アルピーヌ)を追う角田裕毅(スクーデリア・アルファタウリ)、2023年10月22日(日) F1アメリカGP決勝レース(サーキット・オブ・ジ・アメリカズ)Courtesy Of Red Bull Content Pool

ピエール・ガスリー(アルピーヌ)を追う角田裕毅(スクーデリア・アルファタウリ)、2023年10月22日(日) F1アメリカGP決勝レース(サーキット・オブ・ジ・アメリカズ)

そしてオスカー・ピアストリ(マクラーレン)のリタイヤを経て9位にポジションを上げると、これを死守して最終第3スティントに臨んだ。

終盤に向けてはアストンマーチン勢の追撃を受け、フェルナンド・アロンソとランス・ストロールにオーバーテイクを許したが、フロアのダメージにより2度のF1王者が失速、リタイヤした事で入賞圏内に復帰した。

そして後続のアレックス・アルボン(ウィリアムズ)に対する膨大なギャップを利用してラスト2周でソフトタイヤに履き替えると、最終周に自身初となる1分38秒139のファステストラップをマーク。死物狂いで7月のベルギー以来、6戦ぶりとなる10位入賞を果たすと共に、チームに貴重な1点のボーナスをもたらした。

角田裕毅は2021年のデビュー以来、一度もアメリカGPで入賞圏外に終わった事がない。

クルマを降りた角田裕毅は「僕にとっては良いレースになりました。満足です。アメリカでの3回連続のポイント獲得ですし、特にオースティンのファンの前でそれを達成できたので尚更です」と振り返った。

「ファエンツァとビスターのファクトリーのみんな、そしてコースサイドの誰もが懸命に働いてくれています。みんなが用意してくれたアップグレードが上手く機能しているようで嬉しく思います。10位を争うだけの競争力がついてきていると感じていました」

「最終的にはフェルナンド(アロンソ)の一件があり、少し運が良かった事は確かですが、それでもパフォーマンスを最大限に引き出してあのポジションを走っていなければ、その恩恵を受けることもポイントを獲得することもできませんでした」

「最初、チームからピットインの指示があった時、何かトラブルが発生したのではと心臓が止まりました。でも、ソフトタイヤでファステストラップを狙うと言われて安心しました」

「ファイナルラップでファステストを狙ったのはこれが初めてですが、本当にスリリングで楽しかったです。もう一度、集中し直して、この勢いを今季の終盤戦に繋げていきたいと思います」

レース終了後、2位表彰台に上がったルイス・ハミルトン(メルセデス)と6位シャルル・ルクレール(フェラーリ)のマシンのプランク摩耗が技術規定の要件を満たしていない事が発覚。失格処分を下された結果、角田裕毅は8位に昇格した。


2023年F1第19戦アメリカGP決勝レースでは、6番グリッドからスタートしたマックス・フェルスタッペン(レッドブル)が今季15勝目を飾った。

エルマノス・ロドリゲス・サーキットを舞台とする次戦メキシコシティGPは10月27日のフリー走行1で幕を開ける。

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