FIA木曜プレスカンファレンスに出席するレッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペン、2021年6月17日F1フランスGPにて
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フェルスタッペン、タイヤ破損調査結果を”不十分で曖昧”と一刀両断「ピレリは自身に目を向けるべき」

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レッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペンは、F1第6戦アゼルバイジャンGPで発生したタイヤブローに関する調査結果は「不十分」かつ「曖昧」であり、ピレリはチーム側を疑うのではなく「自分達自身に目を向ける」べきだと主張した。

ピレリはバクー市街地コースでのレース中に発生したフェルスタッペン及びランス・ストロールの左リアタイヤ破損に関する調査を終え、デブリやタイヤ構造に起因するものではないとする一方、レッドブル・ホンダ及びアストンマーチン双方は内圧とブランケット温度に関する規定のスタートパラメータを遵守していたと説明。「走行状態」という不明瞭な表現で原因を結論づけた。

事故直後、ピレリが最終的に事故の原因をデブリと説明するだろうと予想していたフェルスタッペンは、第7戦フランスGPの木曜会見の中で調査結果について問われると「個人的には思っていたものと違った。出された結論については少し曖昧なように感じた」と答え、次のように続けた。

「(ピレリは)ハッキリと言うべきだ。その方が何が原因なのかを理解できる。僕はこれまでの説明を十分とは考えていない。チーム側は何も悪い事をしていないんだからね」

ピレリの調査結果にチーム側を糾弾するような表現はないが、一連のトラブルを経てフランスGPに向けて発行された新たな技術指令書からは、チーム側がタイヤの内圧に関して何らかのトリックを使っていたと疑われている事が読み取れる。

ポール・リカール・サーキットの週末からは、開始時に加えてセッション終了後にもタイヤ圧の検査が行われる他、タイヤブランケットの取り外しのタイミングに関して厳しい制約が設けられるなど、タイヤからより多くのパフォーマンスを引き出す方法が制限されるような内容となっている。

ピレリ:スタンディングウェーブが起因

ただしレッドブル・ホンダ及びアストンマーチン双方は声明の中で共にルールを遵守し、トラブル発生時の車体に何も問題がなかった事を強調しており、フェルスタッペンも改めてこの見解を支持した。

フェルスタッペンは、ピレリがレース中に各車両の内圧を監視する術を持っていない事から、レース後にタイヤ圧に関するデータを提供した事を明かし、それらの数値がピレリが指定する値に収まるものであったと説明。「僕らが何も間違っていなかった事が証明された」と強調した。

「だから、彼らは僕らに責任を押し付けることはできないわけで、僕としては、彼らは自分達自身に目を向ける必要があると思ってる」

「僕らは逃げも隠れもしないし、当然喜んで(原因究明に)協力するつもりだ」

ピレリは事故発生の前日のセッションに向けて、安全性向上のためにフロントタイヤの内圧を引き上げているが、フェルスタッペンはこの措置が十分ではなかったと考えている。

「彼らは金曜から土曜に向けて既に内圧を引き上げる決断を下したけど、ひょっとするとそれでは不十分だったんじゃないかと思う」とフェルスタッペン。

「フランスでも引き上げられる事になるわけだけど、それが十分であることを願うばかりだ」

ピレリはフランスGPの週末における最小タイヤ空気圧に関して、リアを19.5psi、フロントを21psiに指定している。

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