フェラーリ、イギリスGPを前に早くも白旗?「SF90はシルバーストンの特性にマッチしていない」
スクーデリア・フェラーリは12日金曜に開幕するF1第10戦イギリスGPに、小規模な空力アップデートを投入して競争力の改善を目指すが、チーム代表を務めるマッティア・ビノットは、今季型マシンSF90はシルバーストンの特性に合っていないとして、ここで今季初優勝を飾るのは難しいと考えているようだ。
「シルバーストンはシーズンの中で最も厳しいコースの1つであり、クルマのセットアップとバランスの良さが如実に表れてしまう」とマッティア・ビノット代表。「また、タイヤへの負荷も大きく、摩耗がレースの勝敗に大きく影響する」
「我々は自分たちのマシンがシルバーストンのコース特性に上手く合っているとは考えていない。だが、どのようなレースであれ、予想外にパワーバランスが変わる事もある」
「イギリスGPに向けて、我々は空力面に更なる修正を加えつつ、クルマの開発を進めている。今週末は、ここ最近投入してきた開発物がライバルをキャッチアップするのに役立っているかどうかを判断するための有益なチャンスとなるだろう」
前戦オーストリアGPでは、メルセデスがオーバーヒートのために失速。”予想外”にレッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペンが優勝を果しただけに、コース特性とのマッチングが最善でないとしても、決してチャンスがないわけでない。それに、路面が全面再舗装されているため、今年のイギリスGPには不確定要素がある。
加えてフェラーリは伝統的に、英国でのグランプリでライバルに勝る強さを発揮してきた。初めてイギリスGPに参戦した1951年以降、マラネロのチームは優勝17回、表彰台55回を獲得。その勝率は25.75%に達しており、昨年はセバスチャン・ベッテルがポディウムの頂点に立った。
「シルバーストンは本当にクールなトラックだし、どんなドライバーにとっても特別な場所だと思う」とベッテル。「高速セクションが多いし、新設されたコーナーを持つ序盤のセクターは本当にテクニカルだ。本音を言えば、速い流れを持つ昔のレイアウトの方が好きなんだけどね」
「ここにはハンガーストレートへと繋がるマゴッツ、ベケッツ、チャペルというF1における叙事詩的な連続コーナーがある。僕はすべてのドライバーがこのセクションを楽しみにしてると思うし、僕自身もそうだ」
「僕らは昨年ここで優勝しているし、フェラーリがフォーミュラ1で初めて優勝した場所でもあるわけで、僕らフェラーリの人間にとっては数え切れない程の歴史が詰まったサーキットだ」