F1イギリスGPの舞台シルバーストーン・サーキットのホームストレート
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シルバーストンでのF1イギリスGP、脱落の危機から一転 2020年以降の開催継続が濃厚に

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カレンダー脱落の危機が囁かれ続けてきた英国シルバーストン・サーキットでのイギリスGPだが、今週末の同地での決勝レースを前に、2020年以降の契約更新が発表される見通しとなった。

同コースを所有するブリティッシュ・レーシング・ドライバーズ・クラブ(BRDC)は高額な開催権料に不満を募らせF1側と対立。来年以降の存続が危ぶまれていたが、地元メディアが7日に報じたところによると、両者は複数年契約の締結に成功し、14日(日)に正式発表が行われる見込みだという。

同国のモータースポーツ協会会長を務めるデビッド・リチャーズはDaily Mailとのインタビューの中で「財政面での基礎的条件は合意に至った。後は最終的な詳細事項の承認のみが必要な状況だ。今週末のグランプリ開催前に上手くまとまる事を確信している」と語った。

シルバーストンでの開催継続が危ぶまれた事で、代替案としてロンドンのドックランズ地区を使った市街地コースでのレースが模索されたものの、先週末、英国国会議員を務めるジェフリー・ドナルドソンとピーター・ヘインの両氏がF1のチェイス・ケアリーCEOと会談。流れが一気にシルバーストン存続へと傾いたようだ。

シルバーストンはレース主催者に1700万ポンド、日本円にして約23億円という巨額の開催権料を支払っているが、F1に参戦する10チームのうちの7チームは英国に拠点を置いており、これに伴う経済効果は20億ポンド(約2,717億円)にも達し、4万人の雇用を生み出しているとされる。

英国出身の5度のF1ワールドチャンピオン、ルイス・ハミルトンはシルバーストンについて「究極のレースサーキットであり、決して失うわけにはいかないグランプリだ」と語り、存続の必要性を訴えている。

「存続のために出来る限りの事をしたいと思ってる。シルバーストンでのグランプリは、シーズン最大の観客動員数を誇る。カレンダーからの脱落は許容できない。僕らは存続のために戦わねばならない」

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