角田裕毅、泣きっ面に蜂の戒告処分…リタイヤに加え安全義務違反
F1オランダGPのスチュワードは9月4日の決勝レースを経て、安全義務違反があったとしてスクーデリア・アルファタウリの角田裕毅を戒告処分とする裁定を下した。
ザントフォールト・サーキットで行われた72周のレースで角田裕毅は、入賞を狙える位置を走行していたものの、メカニカルトラブルによって43周目にリタイヤを余儀なくされた。
トラブルに見舞われ最初にコース上に停車した際、角田裕毅はクルマを降りるためにシートベルトを緩めた。だがチームからタイヤに問題はないため再始動せよとの指示に従い、再びクルマを走らせた。ここに問題があった。
エマニュエル・ピロら4名から成る競技審判団はレース後、角田裕毅及びチーム代表者からの聴取、並びに映像及び音声証拠を検証の上、「安全ではない状態でコースを走行した」として、角田裕毅を戒告処分(非ドライビング)とした。
スチュワードは声明を通して次のように説明した。
「22号車のピットインの後、ドライバーはホイールがきちんと装着されていないと感じてマシンを止めたが、スチュワードの調査の結果、実際にはディファレンシャルに問題があったという結論に至った」
「従ってピットストップ・ポジションからリリースされた時、クルマは危険な状態にはなかった」
「しかしながらドライバーは公聴会で、コース上で停止した後、マシンを降りる準備ができていて、ロックを解除せずに安全ベルトを緩め始めていたと認めた」
「その後、彼はピットに戻り、メカニックがベルトを締め直した。ドライバー自身がシートベルトの緩みの程度を正確に判断することは不可能である」
違反の根拠とされたのはF1技術規定第12条5項6だ。それには以下のように記されている。
「肩ストラップ2本、腹部ストラップ1本、股ストラップ2本の装着を義務付ける。これらのストラップはFIA基準8853-2016に準拠したものでなければならず、車両にしっかりと固定されなければならない」
なおFIAは今回の一件を含めた戒告処分の累積回数を明らかにしていないが、仮に5回(その内の4回はドライビングに関する戒告)に達していれば次戦イタリアGPで10グリッド降格ペナルティが科せられる事になる。