ガレージからコースに向かうフェルナンド・アロンソ(アストンマーチン)、2024年3月22日F1オーストラリアGP FP1
Courtesy Of Aston Martin Lagonda Limited

アストンマーチン、”上位との差を縮める”べくアップグレードを投入…2年後に母国レースとなるF1日本GPで

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フェルナンド・アロンソとランス・ストロール擁するアストンマーチンは、シーズンを通して継続的に車体を改良するとの開発計画を立てており、その一環としてF1第4戦日本GPでAMR24にアップグレードを投入する。

副テクニカルディレクターのエリック・ブランディンは鈴鹿での週末に向けて「継続的な開発の一環として我々は、フロアやボディーワーク、新しいビームウィングの変更を含むアップデートを導入する」と説明した。

新たな開発パーツについてブランディンは「上位との差を縮める助け」になる事を願っているとしつつも「すべて相対的なものだ。他のチームもアップグレードを持ち込んでくるだろう」と述べ、競争力の向上については慎重な姿勢を見せた。

バーレーン、サウジアラビア、オーストラリアでの過去3戦では予選こそ上位に食い込みながらも、レースで順位を落とす展開が目立ち、コンストラクターズ選手権ではトップ3に大きく水を開けられ、メルセデスと4位を争う状況に甘んじている。

ローンチイベントでアストンマーチンは、2024年型AMR24を先代からの「強力な進化版」と形容した。開幕3戦を終えてAMR24はどれくらい前進しているのだろうか?

「AMR24は期待通りのパフォーマンスを見せており、ポジション的にも考えていた通りの場所にいる」とブランディンは語る。

「我々は冬の間に改善すべき多くの分野を特定したが、AMR24はこれらすべての分野で一歩前進していることが証明された」

「AMR24は開発のための強力なプラットフォームであり、われわれはシーズンを通じてアップグレードをもたらす継続的な開発計画を立てている」

鈴鹿サーキットのS字区間を駆け抜けるF1マシン、2022年10月8日F1日本GP FP3Courtesy Of Red Bull Content Pool

鈴鹿サーキットのS字区間を駆け抜けるF1マシン、2022年10月8日F1日本GP FP3

鈴鹿サーキットはクルマとドライバー、双方にとっての「究極のテスト地」として知られている。何が鈴鹿をそれほど特別なものにしているのだろうか?

ブランディンは「鈴鹿は低速コーナーと高速コーナーが混在する見事なコースだ。この組み合わせは本当にチャレンジングで、クルマの長所と短所をより良く理解するための機会を与えてくれる」と説明する。

「もしここでクルマのパフォーマンスが良ければ、ほとんどのサーキットで上手くいくはずだ。ここはクルマの限界が試される特別な場所なんだ」

「セクター1のS字は本当にチャレンジングだ。過去の統計から、セクター1で速いクルマがあれば、鈴鹿で競争力を発揮できる可能性が高いことが分かっている」

「ヘアピンと最終シケインという2つの低速コーナーがあるが、サーキットの残りの部分は比較的中高速だ。セットアップに関してはこれが重要なポイントになる」

「それに鈴鹿は、ドライバーやエンジニアにとって真のチャレンジであるだけでなく、歴史豊かなサーキットだ。またファンのサポートは他に類を見ないほど素晴らしい」

HRC(株式会社ホンダ・レーシング)の渡辺康治社長、本田技研工業の三部敏宏社長、アストンマーチンF1のローレンス・ストロール会長、マーティン・ウィットマーシュ、2023年5月24日の2026年F1パートナーシップ締結発表会見にてCourtesy Of Honda Motor Co., Ltd

HRC(株式会社ホンダ・レーシング)の渡辺康治社長、本田技研工業の三部敏宏社長、アストンマーチンF1のローレンス・ストロール会長、マーティン・ウィットマーシュ、2023年5月24日の2026年F1パートナーシップ締結発表会見にて

ホンダからパワーユニットの供給を受ける2年後の日本グランプリはアストンにとって新たなホームレースとなる。ホンダとの仕事はどの程度、進んでいるのだろうか?

「新しいパワーユニットの開発には数年を要するため、昨年5月に業務提携を発表した直後にホンダとの協働を開始した」とブランディンは語る。

「空力的観点からチーム側は2026年のレギュレーションに取り組むことを禁じられており、またレギュレーションはまだ完全には決まっていないが、ホンダとのパートナーシップは開始されている」

「このコラボレーションは本当に前向きで勇気づけられる形でスタートを切った。我々は協力し合って多くのアイデアを交換している。今後が本当に楽しみだ」

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