角田裕毅(RBフォーミュラ1)の22号車VCARB 01のリア、2024年3月23日(土) F1オーストラリアGP予選
Courtesy Of Red Bull Content Pool

RB、脱AT04へ…角田裕毅の母国F1日本GPで”重大”アップグレードを計画か

  • Published:

第3戦オーストラリアGPでは角田裕毅が7位フィニッシュの好走を見せ、今季初ポイントをチームに持ち帰った、これによりRBは、一気にコンストラクターズ選手権9位から6位に浮上した。

とは言えこれはクルマの実力を表すものではなく、マックス・フェルスタッペン(レッドブル)を含む上位勢のリタイヤやフェルナンド・アロンソ(アストンマーチン)に対する20秒加算ペナルティなくしては成し得なかったリザルトと言える。

アルバート・パーク・サーキットのピットレーンを走る角田裕毅(ビザ・キャッシュアップRBフォーミュラ1チーム)、2024年3月24日(日) F1オーストラリアGP決勝レースCourtesy Of Red Bull Content Pool

アルバート・パーク・サーキットのピットレーンを走る角田裕毅(ビザ・キャッシュアップRBフォーミュラ1チーム)、2024年3月24日(日) F1オーストラリアGP決勝レース

実際、開幕2戦ではノーポイントに終わるなど、今のところ2024年型「VCARB 01」には、プレシーズン段階で広く予想されていたほどの競争力は見当たらない。

伊「FORMULA.UNO」によるとVCARB 01は、内部エアロダイナミクスに関連した冷却に関わる問題によりサイドポッドの僅かな変更を余儀なくされた事に加えて、今もドラッグの過多と重量が課題とされている。

このクルマはこれまでに2回に渡ってアップグレードが行われた。

第2戦サウジアラビアGPではコース特性に合わせた冷却ルーバー、前後ウイングのほか、パフォーマンスの向上、特に車体リア側に流れる気流の改善を目的としたコーク/エンジンカバーが導入された。

また、第3戦オーストラリアGPではダウンフォースの発生効率を高め、ドラッグを低減し、軽量化した新型リアウイングが搭載された。

そして報道によると、角田裕毅にとっての母国レースとなる第4戦日本GPでは新型フロアが導入される。これはVCARB 01を前季型「AT04」から段階的に進化させるための「最初のステップ」にして「重大」なアップグレードになるという。

「最初のステップ」という事は当然に第二弾が存在する。これはチームの母国第7戦エミリア・ロマーニャGPでの導入が計画されているという。

ハッキリとした事は明らかにされていないが、VCARB01の「スターティング・コンセプトの改善」を目的に開発が進められているようだ。

ローンチバージョンのVCARB 01はアルファタウリ最終型と比べて、さほど大きな違いはなかった。チーム代表を務めるローラン・メキーズはシーズン開幕に先立ち、今年のクルマの「出発点は昨年のアブダビとそれほど変わらない」と答え、厳しいスタートになるとの見通しを示していた。

悲観的な見方の背景には昨シーズンの開発計画があった。シーズンの折返しを前に開発を終了するチームがある中、RBの前身であるアルファタウリは積極的にクルマの開発を推し進め、最終アブダビGPにさえ新型フロアを投入した。ローンチバージョンが昨季最終形と似通るのは道理だった。

”スズカ・アップグレード”が本当にあるのだとすれば、それはVCARB 01をVCARB 01足らしめるための第一歩と言える。

コース特性を理由にレッドブルのモータースポーツ・アドバイザーを務めるヘルムート・マルコは鈴鹿でのRBの好結果に期待を寄せている。アップグレード版VCARB 01は、どれだけのパフォーマンスを見せてくれるのだろうか。

F1日本GP特集