中国で挽回へ、ハジャー「ユーキに迫れたし…」涙のクラッシュも競争力に手応え―マルコ発言とハミルトン父子からの励まし振り返る

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念願のF1デビュー戦は、フォーメーションラップでのクラッシュと、それに伴う“涙のパドック帰還”に話題が集中し、パフォーマンス面がかすんでしまった。だが、アイザック・ハジャー(レーシング・ブルズ)は、チームメイトの角田裕毅に「望んでいたレベルまで迫ることができた」と語り、競争力に手応えを感じていると強調した。

第2戦中国GPの初日に先立ち、ハジャーは開幕オーストラリアGPを振り返り、「バーレーンテストでの結果を踏まえると、僕らは思っていた以上に速かった」と語った。

「もちろん、バーレーンの段階で自分たちが中団のどの位置にいるのかを理解するのは難しいけど、メルボルンに入ると、FP1から本当にいいフィーリングだった。望んでいたレベルまでユーキに迫ることもできたし、純粋なパフォーマンスという点では前向きな要素が多かったと思う」

マルコの批評「問題なし」

ハジャーは、オーストラリアGPでクラッシュを喫し、スターティンググリッドに着くことすらできないままデビュー戦を終えた。取り乱した20歳のフランス人ドライバーは涙ながらにパドックへと戻った。

この光景に、レッドブルのモータースポーツアドバイザーであるヘルムート・マルコが「恥ずかしい」とコメントしたことについては、ハジャー自身も「自分でも恥ずかしいと思った」と認め、特に気にしていない様子を見せた。

マルコの発言についてハジャーは、「ヘルムートとは翌日に電話で話したけど、特に問題はなかった。彼のことは何年も前から知っているし、彼がどういう人かも分かっている」と語り、彼との関係が変わることはないと強調した。

また、マルコの発言がドイツ語でなされた点にも言及し、「違ったニュアンスで解釈された可能性もある。僕自身は映像を見ていないから、詳しくは分からないけどね」と付け加えた。

上海インターナショナル・サーキットのパドックを歩くアイザック・ハジャー(レーシング・ブルズ)、2025年3月20日(木) F1中国GPプレビュー(上海インターナショナル・サーキット)Courtesy Of Red Bull Content Pool

上海インターナショナル・サーキットのパドックを歩くアイザック・ハジャー(レーシング・ブルズ)、2025年3月20日(木) F1中国GPプレビュー(上海インターナショナル・サーキット)

ハミルトン親子からの励まし

クラッシュを経て取り乱したハジャーについては、ルイス・ハミルトンの父、アンソニー・ハミルトンが彼を慰める姿が話題となった。

この件についてハジャーは、「憧れているルイスの父親から励ましの言葉をもらえるなんて、本当に特別な瞬間だったよ。しかも、その日のうちにルイス本人からもメッセージをもらった。気遣いのできる本当に素晴らしい人たちだと思う」と振り返った。

また、アンソニーとの会話については、「ルイスが2007年の中国GPで、ピットエントリーにマシンを停めた時のことを思い出したと言っていた」と明かした。

ハミルトンは2007年の予選でポールポジションを獲得するも、レース中盤にピットに向かった際、ピットエントリーでグラベルに飛び出し、無念のリタイアを喫した。

中国GPでの巻き返しを誓う

ハジャーに限らずルーキードライバーにとって、今週末の中国GPはフリー走行が僅か60分のみのスプリント・フォーマットとなるため、再び試練の週末となる可能性がある。

走行経験がない上海インターナショナル・サーキットについてハジャーは「子供の頃からプレイステーション3や4でコントローラーを使ってプレイしてきたコースのひとつだから、よく知ってる」と説明した。

プラクティスの時間が限られることについては、「かなり慣れていると言えるね。ここ3シーズンは、プラクティスから予選まで、数周のプッシュラップだけでこなしてきた。だから、アプローチに関しては、正しいやり方を知っている。もちろん、フリー走行は3回あった方がいいけどね」と語った。

決勝の翌日には立ち直ったというハジャー。まずはクルマを壊さずに予選までのセッションを終え、無事にスターティンググリッドに着くことが第一の目標となる。

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