謎めいた「毎週日曜朝の会合」試されたマクラーレンの結束力、ノリスの態度を評価するステラ代表
ポジションを返上するよう求める無線でのやり取りの中で、ランド・ノリスのレースエンジニアを務めるウィル・ジョセフが口にした「毎週日曜朝のミーティング」は、マクラーレン内部で共有されているレースに対する「方法論」を意味していた。
他車のアンダーカットを防いで1-2フィニッシュを死守すべく採ったピットストップ戦略によりマクラーレンは、オスカー・ピアストリを本来あるべきラップリーダーの座に戻すべく腐心した。
時に正義感に訴えかけるなど、ノリスにポジションを返上するよう説得し続けたジョセフは残り10周、頑として聞き入れないノリスに「毎週日曜の朝にミーティングがあるのを忘れないでくれ」と伝えた。
マクラーレンのアンドレア・ステラ代表は、個々のメンバーが個人プレーに走ることなく一丸となってレースに臨むために、毎週日曜朝のミーティングで毎回、繰り返して「方法論」を確認し合うことでチームとしての結束力を高めていると説明した。
「我々のチームとドライバーには、レースに対する方法論がある」とステラは語る。
「この旅路を我々はともに歩んでいる。チーム、ランド、オスカーの誰であれ、一人で進んでいくことなどできない。それが日曜の朝に話し合ったメッセージだ」
「レーシングドライバーは、このメッセージを常に念頭に置く必要がある。それが毎週日曜日にこのミーティングを行っている理由だ」
残り3周で、優勝へと至る道をピアストリに返したことで、ノリスの手元からはタイトル争いにおける貴重な7ポイントが消えた。これにより首位を行くマックス・フェルスタッペン(レッドブル)とのギャップは76ポイントではなく69ポイントとなった。
ステラは、この決定にノリスがフラストレーションを感じるだろうと予想していた。
「レースをリードしている時に『ああ、当然だよ、順位を戻そう』と進んで言うレーシングドライバーを私は知らない」とステラは語る。
「そんなことはあり得ない。それはドライバーの本質ではない。もしランドがそう言ったら、大いに心配する私の姿が見られるだろうね」
2024年F1第13戦ハンガリーGPでは2番グリッドからスタートしたオスカー・ピアストリ(マクラーレン)が逆転のキャリア初優勝を飾った。
スパ・フランコルシャンを舞台とする次戦ベルギーGPは7月26日のフリー走行1で幕を開ける。