ランス・ストロールcopyright WilliamsRacing

ストロールは第二の”師匠”!? F1ミサイル再びの期待 -相次ぐクラッシュとペイドライバー

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カナダ出身の2017年ウィリアムズ新人ドライバー「ランス・ストロール」が早くもファンの間で話題となっている。総資産2400億円で世界722位の大富豪であるローレンスを父に持ち、一説では総額91億円とも噂される資金がウィリアムズにもたらされたと言われ、所謂ペイドライバーと見なされている。

ストロールはカタロニア・サーキットで開催されたプレシーズンテストで2日間の走行を担当。いずれもクラッシュにより完走できなかったわけだが、そのドライビング資質、メディアへの対応について、多くの議論が起こっている。

初代”師匠”の名を冠した伝説のドライバー

Pastor Maldonado photocreativeCommonsGlobovisión

かつてF1には”アクシデントの伝道師“、”F1界至宝の弾道ミサイル“などと言われれ、一部のファンからの絶大な人気を誇ったベネズエラ人ドライバーがいた。唯我独尊の我が道を行く彼の攻撃的なドライビングスタイルは、しばしばの単独クラッシュ他チーム妨害ペナルティーのオンパレードと、数々の武勇伝を生み出しながらも、それに対するメディアからの批判を一蹴し続けた。通称”師匠”ことベネズエラ人ドライバーのパストール・マルドナドである。

レース中のみならず、ファンイベントのデモ走行でもクラッシュする等、その資質と能力は関係者の想像のはるか斜め上を行く異次元レベルにまで達していた。

ストロールと同じく、2010年にウィリアムズからデビューした彼は、年間4,500万ドル以上をチームにもたらしていたとされ、その請求書がネット上に流出したことすらある。彼は当時、史上最大のペイドライバーと呼ばれていた。

期待高まるファンの想い

クラッシュ、ウィリアムズ、ペイドライバー…そんな彼との共通点をストロールに感じることは、多くのファンにとってごく自然の成り行きと言える。

ただし、マルドナドは2012年第5戦のスペインGPでポール・トゥ・ウィンをやってのけ、ベネズエラ人として史上初の優勝を成し遂げた実績がある。そのため、現時点でストロールのような新人を、師匠と同一視することに慎重な意見もある。

ハミルトン「想定内」

ストロールのテストでのクラッシュを目の当たりにし、予想だにしていなかった2代目師匠誕生の期待を抱いたファンとは裏腹に、現役F1ドライバーであるハミルトンは次のようにコメントしている。「予想されていたことだよ

ランス・ストロールは、多額の資金と貴重なウィリアムズチームのリソース、そして昨年型のマシンを使って、去年世界中でテストを行っていた。それはグランプリに支障を及ぼすレベルだったとも言われるが、他のどんなドライバーも得ることができないほどのテスト走行を重ねてきた。にも関わらずの2日連続のクラッシュ。つまり、ハミルトンの言葉を借りれば「(それだけ)今年のマシンはドライブするのが簡単じゃない」のだそうだ。

ファンからしてみれば、マルドナドばりの攻撃的なドライビングスタイルが2日連続のクラッシュを引き起こしたのだと考えたのであろうが、3度のワールドチャンピオンであるハミルトンに言わせれば、そうではなく、単純にミスをしただけ、だし、ルーキーなのだからクラッシュして当然、との認識のようだ。

F1界からの相次ぐ擁護の声

今年ルノーに移籍したニコ・ヒュルケンベルグは「今年ルーキーがF1に参戦するのは今までよりもかなり難しいと思うよ」とコメント。さらに1996年のF1ワールドチャンピオン、デーモン・ヒルも「あのシューマッハでさえF1初走行では何度かクラッシュしたのだから温かく見守ろうや」と述べるなど、ルーキーであるランス・ストロールを擁護する声は多い。

されどテストなれど所詮はテスト。ストロールが師匠を超える逸材なのか、それともただペイドライバーなのか、はたまた97年のワールドチャンピオンであり同じくカナダ人のジャック・ヴィルヌーブに続く才能を有した驚異の新人であるのかについては、2017年の第1戦オーストラリアGPを待つほかない。

なお、昨年1度F1にスポット参戦した事があるとは言え、実質的には新人と言っても差し支えないであろうマクラーレン・ホンダのストフェル・バンドーン、ザウバーから突如代走することになったフェラーリのリザーブドライバーであるアントニオ・ジョヴィナッツィは、ともに順調にテストをこなした。