F1スペイン決勝グリッドとタイヤ戦略考︰アロンソ降格、新品ソフトを残したフェラーリの狙い
5月22日(日)の日本時間22時よりカタロニア・サーキットで開催されるF1第6戦スペインGPの公式スターティング・グリッドが発表された。予選結果からの変動と、決勝のタイヤ戦略を見ていこう。
今週末は予選を前に、2基目のICE(内燃エンジン)を投入したワークス・メルセデスを含む6名が何らかのPUコンポーネントを交換したが、いずれも規定上限内で降格ペナルティの対象ではなかった。
またルイス・ハミルトン、ミック・シューマッハ、シャルル・ルクレールの3名が新品のギアボックス・ケース及びカセット、駆動部品・ギアチェンジ・補助部品を開封しているが、こちらも罰則の対象となるドライバーはいなかった。参照:F1レギュレーション解説「ギアボックス編」
ただし、チームとの「行き違い」が原因で17番手Q1敗退を喫したフェルナンド・アロンソが決勝を前にパワーユニットをフル交換。今季第1号となるエンジン交換ペナルティが科されたために最後尾に下がった。
上位のスターティンググリッドに予選順位との相違はなく、ポールポジションにシャルル・ルクレール、2番手にはマックス・フェルスタッペンと、タイトル争いの2人が最前列に並ぶ。
想定されるタイヤ戦略
分析によってピレリが導き出した最速のタイヤストラテジーは2ストッパーだ。在庫的にもライフ的にも、大半はミディアムコンパウンドを履いてグリッドにつく事が予想される。
理論上、最も速いのはミディアム、ミディアム、ソフトと繋ぐ2ストップ戦略で、2番目は第1スティントにミディアム、そして残りの2スティントでソフトを履く戦略だ。
プラクティスでのロングランから判断すると、ミディアムでの最初のスティントは20~25周程度と考えられる。
トップ10組の中で最速ストラテジーを全て新品で賄えるのはポールシッターのルクレールのみだ。フェラーリはリスクを犯してまで、Q2をソフト1セットに抑えた。
ルクレールは予選後、Q2で新品を1セットしか使わなかった理由について問われると「レースをニュータイヤでスタートしたかったんだ」と答え、第1スティントをソフトとする可能性を示唆している。 レッドブル勢は先行逃げ切りに注意が必要かもしれない。
ハードタイヤはミディアムより1周あたり1秒以上ラップタイムが遅いが、日曜のバルセロナは暑いコンディションが予想されており、フリー走行でのデグラデーション・レベルを考慮するとハードが活きてくる場面も十分に考えられる。
ピレリのモータースポーツ部門を率いるマリオ・イゾラは「明日は気温が今日より高くなることが予想されるため、タイヤ的には今季最も難しいレースとなりそうだ。マネジメントと戦略が成功のカギを握る」と指摘した。
なお角田裕毅とピエール・ガスリー擁するアルファタウリ勢は新品ミディアムが1セットのみであるため、スタートにミディアムを選択し、残りの2スティントをソフトで繋ぐ可能性が高そうだ。
2022年F1スペインGP 決勝グリッド
66周で行われるF1スペインGPの決勝レースは現地15時、日本時間22時にフォーメーションラップが開始される。日本ではDAZNとフジテレビNEXTで生放送・ライブ配信される。
Pos | Driver | Team | Qualifying |
---|---|---|---|
1 | C.ルクレール | フェラーリ | 1(-) |
2 | M.フェルスタッペン | レッドブル | 2(-) |
3 | C.サインツ | フェラーリ | 3(-) |
4 | G.ラッセル | メルセデス | 4(-) |
5 | S.ペレス | レッドブル | 5(-) |
6 | L.ハミルトン | メルセデス | 6(-) |
7 | V.ボッタス | アルファロメオ | 7(-) |
8 | K.マグヌッセン | ハース | 8(-) |
9 | D.リカルド | マクラーレン | 9(-) |
10 | M.シューマッハ | ハース | 10(-) |
11 | L.ノリス | マクラーレン | 11(-) |
12 | E.オコン | アルピーヌ | 12(-) |
13 | 角田裕毅 | アルファタウリ | 13(-) |
14 | P.ガスリー | アルファタウリ | 14(-) |
15 | 周冠宇 | アルファロメオ | 15(-) |
16 | S.ベッテル | アストンマーチン | 16(-) |
17 | L.ストロール | アストンマーチン | 18(+1) |
18 | A.アルボン | ウィリアムズ | 19(+1) |
19 | N.ラティフィ | ウィリアムズ | 20(+1) |
20 | F.アロンソ | アルピーヌ | 17(-3) |