期待外れのペレス「戦線復帰」の必要性を認めるレッドブル代表、5戦連続ポディウム圏外…フェルスタッペンとの差は3桁に
F1第10戦スペインGPを8位で終え、5戦連続で表彰台を逃し続けているセルジオ・ペレスについてレッドブルのクリスチャン・ホーナー代表は、批判することなく支持する姿勢を強調しているが、「戦線に復帰させなければならない」と焦りをのぞかせる。
異例の早期かつ2年という複数年に渡る新たな契約は、メンタルを安定させ、ペレスの調子を取り戻すきっかけとなることが期待されていた。
しかしながらエミリア・ロマーニャGP以降にペレスが持ち帰ったポイントは僅か8点に過ぎず、ドライバーズ・ランキングでは5位にまで後退し、チームメイトとの差はなんと108点にまで広がっている。
カタロニア・サーキットでのペレスのレースについてホーナーは「我々は彼を3ストップ戦略とした。これは上手くいった。彼は最終ラップでピエール・ガスリーを追い抜いた。このレースからかなりの自信を得るだろう」と振り返った。
「あらゆるシミュレーションを元にすると、彼が今日達成し得た理論上のベストリザルトは8位だった。そして彼はそれを達成した。我々は彼をもっと競争に絡ませる必要がある」
当初はレッドブルの圧勝と広く見られていた2024年シーズンのチャンピオンシップ争いの行方はシーズンを経る毎に見通せなくなってきた。ここ数戦で躍進するランキング2位のマクラーレンは首位レッドブルに50点差と迫っている。
3連覇達成を目指すうえでペレスに何か変化は必要ないのだろうか?
この点についてホーナーは「私が間違っていなければ、我々はチームとして最も多くのポイントを獲得してきた。この調子でいけばコンストラクターズ選手権は順調に進むはずだ」と語った。
「セルジオは今年素晴らしいスタートを切った。彼には最初の4~5レースで見せていたようなパフォーマンスを取り戻してもらう必要がある。彼ならできる。我々としては彼が最高のパフォーマンスを発揮できるような心理状態を作ることが重要だ」
自身のレースについてペレスは「最大の問題はスタートポジションだった。フェルナンド(アロンソ)を交わしたけどニコ(ヒュルケンベルグ)に抜かれてしまった。第1スティントは本当に、本当に厳しかった。これでレース全体が妥協を強いられた。ダーティーエアーの中で前のクルマについていくのは難しかった」と振り返った。
2位フィニッシュしたランド・ノリスは、最速のマシンはレッドブルRB20ではなくマクラーレンMCL38だったと語った。メルセデスはバルセロナでレッドブルに次ぐ2点差の大量得点を持ち帰った。
ライバルが躍進してきている状況についてペレスは「本当に手強い。僕らはチームとして完璧な週末を過ごさなきゃならない。今はマクラーレンが最強のチームのように見える。様々な種類のサーキットで競争力を発揮できるよう、僕らはもっと強くあらねばならない」と語った。
レッドブルは現在、RB20に投入するアップグレードを計画しているが、ペレスは自身がパフォーマンスを取り戻すためには車体の改良以上にバランスの改善が必要だと考えている。
「他のチームと同じ様にアップグレードが計画されている。でも何より重要なのはバランスを最大化することであって、これはアップグレードよりも重要だ」とペレスは付け加えた。
2024年F1第10戦スペインGPでは、2番グリッドからスタートしたマックス・フェルスタッペン(レッドブル)が今季7勝目を上げた。
レッドブルリンクを舞台とする次戦オーストリアGPは6月28日のフリー走行1で幕を開ける。