失速アストン、トップ争い蚊帳の外…”ゼロリスク”のアロンソは敢えてストロールに仕掛けず今季ワースト
アストンマーチンの両ドライバーは2023年FIA-F1世界選手権第8戦スペインGPで6位、7位と並んでフィニッシュした。5番手スタートのランス・ストロールは1周目に3番手に上がるもその後はペースが上がらず、7周目にルイス・ハミルトン(メルセデス)に前を許した。
前戦モナコGPでは2位表彰台を獲得し、今シーズンは常にトップ4でフィニッシュしてきたフェルナンド・アロンソも表彰台争いに絡めず、今季ワーストの7位に終わった。
敗因はタイヤにあったようだ。ストロールはタイヤのグラデーションが予想以上だったと話し、アロンソはコンパウンドの違いに関わらずペースがなかったと語った。
レース終盤の60周目、アロンソは僚友ストロールよりも履歴の新しいタイヤを履いて1秒後方まで追いついていたが「ランスには心配するなと伝えてくれ。雨が降った場合に備えて後続との差を築きたいだけだ」「ゼロリスクだ」と無線を通してチームに伝え、チームメイトをオーバーテイクする意思がない事を強調した。
曰くそれは「6位と7位も、7位と6位も、チームにとっては同じこと」であり、フロアにダメージを負って台無しにしてしまった予選のような「過ち」を犯すリスクを負いたくなかったからだという。
結果、ダブル表彰台に上がったメルセデスが一気に33ポイントを加算し、遂にアストンマーチンを抜き去りランキング2位に浮上した。
デグが予想以上に大きかった
ランス・ストロール
決勝: 6位
グリッド: 5番手
1周目のルイス(ハミルトン)とのバトルは楽しかった。 以前にもあの抜き方を成功させたことがあったんだ。隙間があってね。ルイスなら少しスペースを空けてくれるだろう思ったら、その通りにしてくれた。 おかげでターン5に向けて良い位置につけて、ポジションをキープすることができた。
ただ5周目くらいからペースが上がらず苦しくなった。タイヤのデグラデーションが予想以上に大きかったんだけど、周りの車には同じような問題がなかったように思う。今後のレースに向けて原因を理解しなきゃならない。
6位と7位でフィニッシュしてポイントを持ち帰れたけど、今日はもう少し上を目指したかった。 数日後に地元カナダに向かうのが楽しみだ。
今日はこれが精一杯
フェルナンド・アロンソ
決勝: 7位
グリッド: 8番手
今日はソフトコンパウンドとハードコンパウンドの両方でペースがなく、僕らにとってトリッキーなレースだった。戦略的にスティントを伸ばして後半で新しいタイヤを使うことで後に報われることを望んでいたけど、ライバルの方が少し速かったみたいだ。今日の僕らにとっては6位と7位が精一杯だったと思う。
予選に関しては良いパフォーマンスがあったと思う。(決勝レースで失速した)原因を突き止めてカナダで巻き返しを図る必要がある。
ただ、それでもしっかりとポイントを獲得できたし、リスクを負う事もなかった。
週末を通して情熱とエネルギーを与え、サポートしてくれたファンに感謝したい。僕にとって本当に感動的で特別な時間だった。
6月4日(日)にカタロニア・サーキットで行われた2023年F1第8戦スペインGP決勝レースでは、マックス・フェルスタッペン(レッドブル)がグランドスラムを達成して通算40勝目を飾り、2位にルイス・ハミルトン、3位にジョージ・ラッセルとメルセデス勢がダブル表彰台に上がった。
ジル・ビルヌーブ・サーキットを舞台とする次戦カナダGPは6月17日のフリー走行1で幕を開ける。