アウディのF1参戦に懐疑的な憶測、飛び交う要因の一つはアルファロメオへのザウバーの配慮か
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アウディの2026年F1参戦プロジェクトに関しては、様々に懐疑的な憶測が飛び交っているが、その理由の一つはアルファロメオに対するザウバーの配慮からくる情報不足にあるのかもしれない。
アウディは昨年8月のスパで、ザウバーのパワーユニット(PU)サプライヤーとして2026年よりF1に参戦することを発表し、今年1月にはザウバー・グループの少数株式を取得した。2024年の第1四半期にはノイブルクの拠点に「F7.2」と呼ばれる新たなファクトリーが完成する。
ただ、アウディのマルクス・ドゥスマン取締役会会長が今年9月1日付けで同職を退任する事が6月に発表された事を受け、プロジェクトを疑問視する声が上がり始めた。これには、フォルクスワーゲン傘下のポルシェが後を引き継ぐ、あるいはトヨタが代わってザウバーを買収するといった特に目立った根拠のない憶測などが含まれる。
パドックや一部で囁かれる懐疑的な噂についてザウバーのアレッサンドロ・アルンニ・ブラービ代表は11月3日(金)のインテルラゴス・サーキットで次のように述べ、全面的に否定した。
「F1に対してアウディは、ザウバーと共に強くコミットしている。これはアウディの取締役会だけでなく、アドバイザリーボードとアウディ及びフォルクスワーゲンの監査役会の決定に基づくものだ」
「つまりグループ全体としての決定であり、コミットメントなのだ」
憶測というものは一般的に、不確実性、前例の欠如、不十分な意思疎通など、情報が限られている場合に生じやすい特徴がある。
アルンニ・ブラービはメディアやファンに対する「コミュニケーションが不足」している事を認め、その理由についてアルファロメオに対する配慮だと説明した。アルファロメオは2023年末を以てザウバーとのタイトルスポンサー契約を終了する。
「我々はアルファロメオF1チーム・ステークなのだ。故にシーズン終了まではチームについて、将来について、アウディの関与について、コミュニケーションには一定の制限がある」とアルンニ・ブラービは語る。
「我々はアルファロメオを十分に尊重しており、レースやチャンピオンシップに厳密に関係するもの以上のことは明らかにしたくないと思っている」
「先ほど言ったようにコミットメントがある。我々はチームの構造を発展させるべく懸命に取り組んでいる」
ザウバーは既に、マクラーレンのかつてのチーム代表とテクニカル・ディレクターを務めていたアンドレアス・ザイドルとジェームス・キーを起用するなど、幾つか目立った人材の起用を明らかにしているが、アウディのコミットメントは単に金銭面や採用面に留まるものではないとアルンニ・ブラービは強調する。
「ジェームス・キーもその一人だが、我々は強力な採用計画のもと、毎週のように新しい人材を採用している」
「そしてご承知の通り、チームへの資金提供や、こうした開発プロセスに対するアウディの関与が重要なわけではない」
「我々にはオーナーと株主が2社いる。そして2026年シーズンに向けて完了する取引のさまざまな段階に応じたガバナンスがあり、我々は合意されたガバナンスに従って投資計画を進めている」
アルファロメオとの契約は2ヶ月ほどで満了を迎える。果たして以降、憶測の余地がないくらいに、アウディのF1参戦プロジェクトに関する前向きな公式情報は増えるのだろうか。