ドル紙幣の束、2011年10月26日
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F1チーム価値番付:フェラーリはウィリアムズの5倍超、合計評価額は2.5兆円以上

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コストキャップの導入と世界的なF1人気の高まりを背景にF1チームは今、黄金時代を迎えた。米金融経済紙「フォーブス」の推定によれば、F1チームの価値は4年前と比較して約2.8倍に膨れ上がっている。

同紙の調査によると、現行グリッドに着く10チームの中で最も評価額が高いのは、FIA-F1世界選手権創設当時から参戦し続けている唯一のチーム、F1の歴史そのものと言えるスクーデリア・フェラーリだ。

僚友シャルル・ルクレールの前を走るカルロス・サインツ(フェラーリ)、2023年3月19日F1サウジアラビアGP決勝レースCourtesy Of Ferrari S.p.A.

僚友シャルル・ルクレールの前を走るカルロス・サインツ(フェラーリ)、2023年3月19日F1サウジアラビアGP決勝レース

腐っても鯛。2007年以降、タイトルから遠ざかっているとは言え、マラネロを本拠とするイタリアの名門チームの価値は現在39億ドル、日本円にして約5437億円に上ると推定された。

飛ぶ鳥を落とす勢いのレッドブルは26億ドル(約3625億円)で3位と、V6ハイブリッド時代にダブルタイトル7連覇を成し遂げたメルセデスがフェラーリに僅差の2位につける。フェラーリとランキング10位のウィリアムズの価値には約5.4倍の開きがある。

チーム 推定収益 推定企業価値
フェラーリ 6.8億ドル
948.06億円
39億ドル
5437.38億円
メルセデス 7億ドル
975.94億円
38億ドル
5297.96億円
レッドブル 5.1億ドル
711.04億円
26億ドル
3624.92億円
マクラーレン 4.9億ドル
683.16億円
22億ドル
3067.24億円
アルピーヌ 3.25億ドル
453.12億円
14億ドル
1951.88億円
アストンマーチン 2.9億ドル
404.39億円
13億ドル
1812.46億円
アルファタウリ 2.6億ドル
362.50億円
11億ドル
1533.62億円
アルファロメオ 2.1億ドル
292.79億円
9億ドル
1254.78億円
ハース 1.8億ドル
250.96億円
7.8億ドル
1087.48億円
ウィリアムズ 1.6億ドル
223.07億円
7.2億ドル
1003.82億円
38.05億ドル
5304.93億円
187億ドル
2兆6071.54億円

これらは銀行によるチーム評価額や、業界幹部、アナリスト、銀行家、投資家とのインタビューから得られた公開/非公開情報を集計した上で、2023年の収益予測に基づいて算出された。株式と純負債を合わせた企業価値をチーム価値としており、エンジン販売などの付帯的事業は含まない。

近年のF1では幾つかのチームの株式が売却された。

例えば報道によると2021年にザウバーは、アンドレッティ・オートスポーツに対して発行済み株式の過半数を約3億5,000万ドルの評価額で売却する準備が整っていたとされる。これは最終的に破談となったが、後にアウディに約6億5,000万ドルの評価額で少数株が売却された。

またアルピーヌは今年6月、ハリウッド俳優のライアン・レイノルズやロブ・マクエルヘンニーを含む米国の投資家グループに株式の24%を売却。2億ユーロ(約312億円)を調達した。

ローンチカラーを施したアウディのF1ショーカーと国際自動車連盟(FIA)のモハメド・ベン・スレイエム会長、アウディAG取締役会長マルクス・ドゥスマン、アウディAG技術開発担当取締役オリバー・ホフマン、F1社長兼CEOのステファノ・ドメニカリ、2022年8月26日FベルギーGPスパ・フランコルシャンにてCourtesy Of Audi

ローンチカラーを施したアウディのF1ショーカーと国際自動車連盟(FIA)のモハメド・ベン・スレイエム会長、アウディAG取締役会長マルクス・ドゥスマン、アウディAG技術開発担当取締役オリバー・ホフマン、F1社長兼CEOのステファノ・ドメニカリ、2022年8月26日FベルギーGPスパ・フランコルシャンにて

2023年のF1全10チームの平均価値は18億8000万ドルで、同紙による2019年の平均5億ドルと比べると276%増という驚異的な伸びを見せている。

背景にあるのは2021年に史上始めて導入された予選制限ルールだ。これにより年間500億円以上が投じられていた時代に終止符が打たれ、チームに収益性という概念が導入された。

またNetflixの人気F1ドキュメンタリー「Drive to Survive」に後押しされ、新たなファン層が開拓された事も収益、チーム価値の向上に大きな影響を及ぼしたと分析している。