決勝レースを前にマリーナベイ市街地コースのグリッドを歩く角田裕毅(スクーデリア・アルファタウリ)、2023年9月17日(日) F1シンガポールGP
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アルファタウリ「過失なし」角田裕毅を擁護、ペレスに脇腹突かれ大ダメージ

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2023年F1第16戦シンガポールGPでのセルジオ・ペレス(レッドブル)との接触について、スクーデリア・アルファタウリのテクニカル・ディレクターを務めるジョディ・エギントンは、過失はないとして角田裕毅を擁護した。

角田裕毅はソフトタイヤの優位性を武器にポジションを上げ、ペレスの前方13番手を走行していたものの、ターン14への進入の際にイン側の脇腹をペレスに突かれて新型サイドポッドとフロアが破損。中の冷却系にまでダメージが及んだ事で、1周も走り切る事なくレースを終えた。

セルジオ・ペレス(レッドブル)との接触により1周目にリタイヤを喫し、ピットレーンを歩いてガレージに戻る角田裕毅(アルファタウリ)、2023年9月17日F1シンガポールGPCourtesy Of Red Bull Content Pool

セルジオ・ペレス(レッドブル)との接触により1周目にリタイヤを喫し、ピットレーンを歩いてガレージに戻る角田裕毅(アルファタウリ)、2023年9月17日F1シンガポールGP

おそらくは、いわゆる「1周目のインシデント」として処理されたのだろう。一件がスチュワードによって調査される事はなかったが、コーナーへのアプローチで角田裕毅が先行していた事はオスカー・ピアストリ(マクラーレン)の車載映像から明らかだった。

ペレスとの接触についてエギントンは「いつものようにシンガポールは一筋縄ではいかないレースだった。我々は1周目を終えた段階で1台のみとなってしまった」と振り返った。

そして、角田裕毅は「自らに責任がない接触を経て、クルマにダメージを受けてリタイヤを余儀なくされた」として、「ユーキは金曜のロングランで本当に力強いペースを見せていただけに残念だ」と続けた。

ペレスは終盤、ほぼ同じような形でアレックス・アルボン(ウィリアムズ)の脇腹に突っ込み、5秒ペナルティと1点のペナルティポイントを科された。通常のラインでターンインしようとしたアルボンのイン側に「楽観的」に飛び込んだ結果、接触したと見なされた。

角田裕毅は大規模アップグレードを得たAT04の真のポテンシャルを活かせずにレースを終えたが、1週間後に控える鈴鹿での母国日本GPではきっと、観衆を湧かせてくれる事だろう。

エギントンは「我々の誰もがみな、日本を楽しみにている。今回のアップグレードとこれに続くエアロパーツからパフォーマンスを引き出し、更なる一歩を踏み出していきたい」と付け加えた。


2023年F1第16戦シンガポールGP決勝は、カルロス・サインツ(フェラーリ)がポール・トゥ・ウインを飾り、2位にランド・ノリス(マクラーレン)、3位にルイス・ハミルトン(メルセデス)が続く結果となった。

三重県鈴鹿サーキットを舞台とする次戦日本GPは9月22日(金)のフリー走行1で幕を開ける。

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