ウクライナ侵攻のロシア、F1に開催中止を求めるベッテル「僕は行かない」強い表現で批判
アストンマーチンF1チームのセバスチャン・ベッテルは、ウクライナへの軍事侵攻を宣言したプーチン体制のロシアの行動を「極めておかしい狂ったリーダーシップ」と強く批判し、F1側にロシアGPの中止を求めると共に、仮に開催されてもボイコットする意向を明らかにした。
ロシア軍は2月24日、ウクライナ東部への軍事攻撃を開始したと発表した。ウクライナ国内メディアの報道によると、攻撃は東部に留まらず首都キエフ郊外を含む複数の都市に及んでおり、ビルへの砲撃で少年が死亡したとも伝えられている。
WATCH: Missile hits airport in Ivano-Frankivsk, Ukraine https://t.co/EnskxXhpnq
— BNO News (@BNONews) February 24, 2022
これについて日本を含む複数の国々がプーチン大統領を含むロシアの行動を批判。追加制裁を科す方向で連携を強めており、9月25日に開催が予定されているF1第17戦ロシアGPの開催中止の可能性が高まっている。
現時点でF1は「流動的な状況を注視している」とするだけで、ソチ・オートドロームでの今季のイベントに関して何も明らかにしていないが、公式の観戦チケット販売サイトからはロシアGPのページが削除されている。
攻撃が開始された木曜、F1プレシーズンテストのランチブレイク会見に出席したベッテルは、GPDA(F1ドライバーによる組織団体)ディレクターとしてではなく個人的見解だと断った上で、強い表現でロシアの軍事侵攻を批判した。
「恐ろしい事がおきている。カレンダー上ではロシアでレースが予定されているけど、僕個人の意見としては行くべきではないと思っているし、行くつもりもない。あの国でレースをするのは間違っている」
「何の罪もない人々が、愚かな理由で命を落とし、殺されている状況を気の毒に思う。極めておかしい狂ったリーダーシップだ」
「個人的に、こうした事態に至った事にショックと悲しみを感じている」
ベッテルは現時点でGPDAとしての見解はまとまっていないとしながらも、今後話し合いの場を設ける意向を示した。
同席したレッドブル・レーシングのマックス・フェルスタッペンは「国が戦争状態にある時に、そこでレースをするのは適切ではない」と述べ、ベッテルの意見に同意した。
なおロシア・ベレズニキに本拠地を置くウラルカリ社をタイトルスポンサーとするハースF1チームは2日目のセッションを終えて、「VF-22」のカラーリングを変更し、赤、白、青のロシアカラーと冠スポンサーであるウラルカリのロゴを撤去すると発表した。
ロシアのウクライナ侵攻に関してF1チームは、バルセロナ現地24日20時より行われるステファノ・ドメニカリCEOとの会合の中で一件を議題とすると共に、9月に予定されているロシアGPの開催に関して話し合いを行う予定だ。